◆「子供たちの意見が置き去りになった案」
青木島遊園地の問題を追及し続けてきた長野市議の小泉一真氏も「重機で騒音が出ていたと思われますが、大々的な抗議運動に繋がることはありませんでした」と語る。
原状回復工事から半年以上が経過し、一定の解決に至ったように見えるが、今度は別の問題が生じているという。
「公園が廃止となったことで、代わりになる子供の遊び場をどうするか議論が交わされていますが、長野市側が解決策を見いだせておらず、住民からは『本当に子供のことを考えているのか』『大人の事情を押しつけているだけではないか』と疑問視されています」(小泉市議)
市は『青木島こども未来プラン』と称し、代替の遊び場案などの計画を公式サイトで公開。〈子どもたちが放課後も校外に移動することなく、小学校で安全に伸び伸びと遊び、学べる環境を整えるため〉という理由で、公園に隣接する児童センターを小学校内にある「子どもプラザ」に統合し、小学校の校庭に子どもプラザや学校施設としても利用できる多目的棟を建設するなどの計画を提示している。
「市は『公園を廃止したので、子供の遊び場として小学校の校庭を使います』という提案をしています。本来であれば、これは子供たちを含めてオープンな形で意見を聞くべきでしょう。アンケート調査をもとに市の秘書課ベースで話を進めたもので、子供たちの意見が置き去りになった案だと感じています。
棟を建設することで、決して広いとは言えない小学校の校庭はさらに狭くなるし、遊び場としての安全性にも疑問が出てきます」(小泉市議)
こうした指摘について長野市に意見を聞いた。今年5月に小学校・保育園保護者説明会(児童の出席可)を開催、その後も小学校全保護者へのアンケートによる意見募集や児童センター、子どもプラザ保護者説明会などを実施しているとし、児童の安全性確保については「工事中も学校で使用しており、新多目的棟での活動に支障はないと考えております」(企画政策部、以下同)、スペースについても「新たに整備する多目的棟は、現在の児童センターとほぼ同じ面積を確保するため、活動に支障はないと考えております。(校庭の敷地減について)現在の植栽の場所を利用するため、校庭など学校活動には影響しません」とし、「子どもプラザへの統合に当たっては、環境の変化等を心配する保護者もいるため、時期や手法については保護者や関係者の意見を聴きながら柔軟に対応することとし、関係者との協議を継続しながら丁寧に進めてまいりたいと考えております」とのことだった。12月9日にも再び児童センターの保護者と意見交換を行なうという。
更地になった公園に隣接する児童センターの窓ガラスには、〈ずっとわすれない あおきじまゆうえんち だいすき ありがとう〉と子供たちが書いた張り紙が貼られていた。