国内

【裏金スキャンダルで一斉更迭へ】松野官房長官は「もうフラフラ」 岸田首相が自派閥ではなく安倍派から“女房役”を選んだ背景

ボロボロ、フラフラと指摘された松野官房長官(時事通信フォト)

ボロボロ、フラフラと指摘された松野官房長官(時事通信フォト)

 安倍派の裏金疑惑はいきなり岸田政権の中枢へと波及した。すでに、岸田首相が「安倍派5人衆」のうち松野博一官房長官、西村康稔経済産業相、萩生田光一・党政調会長、高木毅・党国会対策委員長を交代させる意向を固めたと報じられたほか、世耕弘成・党参院幹事長の交代も検討されている。中でも、いち早く報じられていたのが“女房役”である松野官房長官の更迭だったが、岸田首相にとってこの事態は晴天の霹靂だったようだ。官邸関係者が語る。

「自民党各派の裏金疑惑が表面化したとき、総理はさほど深刻には受け止めていなかった。側近たちは東京地検特捜部の捜査が安倍派に向けられていたことで、『これで安倍派は身動きがとれない。政権批判はできなくなる』と喜んでいたくらいだ。まさか官房長官更迭という政権のど真ん中に飛び火するとは全く考えていなかった。今になって、側近たちは『安倍派から官房長官を選んだのが大失敗だった』と悔やんでいる」

 相変わらず世論の動向も、政局の先行きも見えない政権である。

 官房長官は政府のスポークスマンであると同時に、官邸であらゆる政策の総合調整を担う。さらに官房機密費の差配を一手に握っている。

 そのため「首相の女房役」とも呼ばれ、自民党では伝統的に、総理大臣は自分の派閥から腹心の議員を官房長官に選ぶことが多かった。安倍晋三内閣の官房長官を長く務めた菅義偉・前総理は無派閥ながら、安倍氏にとっては首相返り咲きを支えてくれた腹心だった。

 岸田内閣が発足した2021年10月の組閣人事の際、首相は当初、岸田派から官房長官を選ぶ方針で、候補に側近の小野寺五典・元防衛相らの名前があがっていた。だが、政権基盤が弱いため、安倍派の介入を招いた。岸田派議員が語る。

「安倍元総理が、官房長官には安倍派の萩生田氏を強く推薦してきた。岸田総理としては、後見人だった安倍さんの意向には逆らえないし、最大派閥の安倍派を敵に回したら政権運営ができなくなる。しかし、安倍さんの側近中の側近だった萩生田さんを官房長官に据えると『安倍傀儡政権』と批判される。それは避けたかった。そこで同じ安倍派でも安倍元総理と距離があった松野氏を官房長官に起用することで妥協した」

 岸田首相と松野氏は、首相が政調会長時代に松野氏が政調会長代理として支えた関係だ。前回の自民党総裁選でも、安倍氏が高市早苗・経済安保相を支援したのに対し、松野氏は1回目の投票から安倍派内の一定勢力を岸田支持でまとめたとされる。いわば「論功行賞人事」でもあった。

関連記事

トピックス

大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、不動産業者のSNSに短パン&サンダル姿で登場、ハワイの高級リゾードをめぐる訴訟は泥沼化でも余裕の笑み「それでもハワイがいい」 
女性セブン
今の巨人に必要なのは?(阿部慎之助・監督)
巨人・阿部慎之助監督「契約最終年」の険しい道 坂本や丸の復活よりも「脅かす若手の覚醒がないとAクラスの上位争いは厳しい」とOBが指摘
週刊ポスト
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《ベリーショートのフェミニスト役で復活》永野芽郁が演じる「性に開放的な女性ヒロイン役」で清純派脱却か…本人がこだわった“女優としての復帰”と“ケジメ”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の一足早い「お正月」》司組長が盃を飲み干した「組長8人との盃儀式」の全貌 50名以上の警察が日の出前から熱視線
NEWSポストセブン
垂秀夫・前駐中国大使へ「中国の盗聴工作」が発覚(時事通信フォト)
《スクープ》前駐中国大使に仕掛けた中国の盗聴工作 舞台となった北京の日本料理店経営者が証言 機密指定の情報のはずが当の大使が暴露、大騒動の一部始終
週刊ポスト
タレントとして、さまざまなジャンルで活躍をするギャル曽根
芸人もアイドルも“食う”ギャル曽根の凄み なぜ大食い女王から「最強の女性タレント」に進化できたのか
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
安達祐実、NHK敏腕プロデューサーと「ファミリー向けマンション」半同棲で描く“将来設計” 局内で広がりつつある新恋人の「呼び名」
NEWSポストセブン
還暦を迎えられた秋篠宮さま(時事通信フォト)
《車の中でモクモクと…》秋篠宮さまの“ルール違反”疑う声に宮内庁が回答 紀子さまが心配した「夫のタバコ事情」
NEWSポストセブン
熱愛が報じられた長谷川京子
《磨きがかかる胸元》長谷川京子(47)、熱愛報道の“イケメン紳士”は「7歳下の慶應ボーイ」でアパレル会社を経営 タクシー内キスのカレとは破局か
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さまの墓を参拝された天皇皇后両陛下(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《すっごいステキの声も》皇后雅子さま、哀悼のお気持ちがうかがえるお墓参りコーデ 漆黒の宝石「ジェット」でシックに
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
NEWSポストセブン