まだあどけなさが残るデビュー当時

まだあどけなさが残るデビュー当時(提供/ノースプロダクション)

「72才にもなると、これから生きていく時間も、役者や歌手として活動する時間も限られてきます。静かな余生を送りがちな年齢ではありますが、俺は、性格的にフェイドアウトというのが嫌で、最後まで全力でやりきりたいと思っている。WHAT’S NEXTとは、『お前、次はどうするんだ?』という自分への問いかけなんです。

 自分の生き方、裏を返せば『死に方』とも言えますが、死に至るプロセスを自分でどう演出するか。そんなことを考えています。まあ、先のことは“Nobody Knows”ですけどね」

 改めて、50年間活躍し続ける原動力を挙げるとすれば?と聞くと、こんな答えが返ってきた。

「ファンやスタッフの“支え”です。コンサート会場でみなさんのキラキラとした表情を見た瞬間、『支えられているな』と強く感じます。また、前述の通り、スタッフに助けられてここまでやってこられました。

 そして、“出会い”。岡田さん【*1】や鎌田さん【*2】をはじめとする人や作品との出会いに恵まれた。やっぱりラッキーなんでしょうね」

【*1/岡田晋吉:日本テレビのドラマプロデューサーとして『太陽にほえろ!』『傷だらけの天使』『俺たちの旅』ほか多数の作品を手がける】
【*2/鎌田敏夫:『われら青春!』や『俺たちの旅』(以上、日本テレビ系)をはじめ、『金曜日の妻たちへ』『男女7人夏物語』(以上、TBS系)、『29歳のクリスマス』(フジテレビ系)ほか多数の作品を手がける】

 これまで仕事に突っ走ってきて二の次だった夫婦生活も、コロナ禍を機に変化があったようだ。

「ふたりでいることが急に増えて、なんだか照れくさくてね(笑い)。考えてみると、結婚してすぐに子供が生まれたから『俺たち、新婚時代を味わったことがないよね』と話しているんです。だいぶ時間が経ったけど、いまが(新婚の)感じなんですかね。すごく楽しいですよ」

(了。第1回から読む

【プロフィール】
中村雅俊(なかむら・まさとし)/俳優、歌手。1951年、宮城県牡鹿郡女川町生まれ。1973年、慶應義塾大学在学中に文学座附属演劇研究所に研究生として入所。1974年、『われら青春!』(日本テレビ系)の主役に抜擢され俳優デビュー。同年に挿入歌『ふれあい』で歌手デビューも果たし、売り上げが100万枚を突破。現在までに連続ドラマ34本を含め主演作品は100本以上。コロナ禍を除き、毎年行ってきたコンサートは1500回以上。現在は俳優、歌手のほかナレーションも行うなど、幅広く活躍を続ける。

◇Billboard classics 中村雅俊 Symphonic Live 2023-2024 ~WHAT’S NEXT~
2021年より始まったフルオーケストラのツアーで、3年目かつデビュー50周年イヤーの2024年は「WHAT’S NEXT」と題し、兵庫(12/21)で行われたほか、東京では中村の誕生日である2024年2月1日にすみだトリフォニーホール 大ホールにて開催(開場16:00開演17:00)。管弦楽は新日本フィルハーモニー交響楽団、サポートミュージシャンに大塚修司を迎える。

写真・文/佐藤有栄

※女性セブン2024年1月18・25日号

トレードマークの下駄。「当時、下駄を履いた慶應ボーイはいなかったね」(中村)

トレードマークの下駄。「当時、下駄を履いた慶應ボーイはいなかったね」(中村)(提供/ノースプロダクション)

77年NHK大河ドラマ『花神』の共演者と。中村は高杉晋作役で出演した(撮影は’76年)

1977年NHK大河ドラマ『花神』の共演者と。中村は高杉晋作役で出演した(撮影は1976年)撮影/女性セブン

婚約時の中村雅俊・五十嵐淳子夫人(1976年)

婚約時の中村雅俊・五十嵐淳子夫人(1976年)撮影/女性セブン

88年のドラマ『恋人も濡れる街角 URBAN LOVE STORY』(日本テレビ系)の共演者と。左から紺野美沙子、主演の中村、かとうかずこ、香坂みゆき。同名の曲を’82年にリリースし大ヒットした

1988年のドラマ『恋人も濡れる街角 URBAN LOVE STORY』(日本テレビ系)の共演者と。左から紺野美沙子、主演の中村、かとうかずこ、香坂みゆき。同名の曲を’82年にリリースし大ヒットした(撮影/女性セブン)

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
《大谷は誰が演じる?》水原一平事件ドラマ化構想で注目されるキャスティング「日本人俳優は受けない」事情
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
パリ五輪への出場意思を明言した大坂なおみ(時事通信フォト)
【パリ五輪出場に意欲】産休ブランクから復帰の大坂なおみ、米国での「有給育休制度の導入」を訴える活動で幼子を持つ親の希望に
週刊ポスト