阿部亘医師
では、どのようにして執刀医を決めるべきなのか。山口医師が続ける。
「やはり、セカンドオピニオン(複数の医師の意見)を得ることだと思います。特に、大きな手術になると、本当にその選択でいいのかを確かめるために、いろんな意見を聞いた方がいい。同じ心臓血管外科医でも、驚くほど考え方や方針が違うものです。医師の話を聞いても、患者さんが理解できることは限られるかもしれません。ですが、その話を聞いて判断してほしいのは、『誰に自分の命を預けるか』ということなんです」
循環器内科医から信頼されることも、いい心臓外科医の条件だ。最初から心臓血管外科にかかることは少なく、循環器内科医の判断で心臓手術を受けるケースが多いからだ。わかまつインターベンションクリニック院長で、循環器内科医の阿部亘医師が話す。
「ちょうどいま、心臓外科の先生から電話がかかってきたところでした。私の紹介で手術した患者さんを心配して、『あの人、病状変わりませんか?』ってアフターケアをしてくれる。
一方で手術したら終わり、という淡白な外科医もいますが、そういう人は、私は信頼していません。患者さんを診ずに心臓しか診ていないからです。やはり、信頼できる外科医というのは、すべてを診て、その人を知ってから、手術をしてくれる人だと言えるのではないでしょうか。
患者さんの立場でそうした医師を見極めるのは簡単ではないかもしれませんが、診察時にしっかり話を聞いてくれるかどうか、ホームページの文言から手術や機器の紹介を羅列した“腕自慢”に留まらず、“真心を込めて治します”というメッセージを読み解くことができるかといった部分から判断してほしい」
技術も“ハート”も持ち合わせたあなたに合った名医を見つけてほしい。
(了。前編から読む)
※女性セブン2024年1月18・25日号
今回取材した心臓・血管の名医
【心臓・血管】名医が選んだ最強の名医
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