懸念は交通アクセスの悪さ

建設現場。多くの工事車両が出入りしていた

建設現場。多くの工事車両が出入りしていた

 現地取材を重ねると、沖縄の風土を活用したテーマパークに県内でも歓迎の声が大半だった。だが、同時に誰もが口にする懸念が一つある。それが交通アクセスの悪さだ。

 訪沖した観光客が那覇空港のある南部からジャングリアのある北部まで足を伸ばすとなるとレンタカーを借りるか、シャトルバスで最寄りまで移動後、タクシーに乗車しなければならない。有料の沖縄自動車道を使っても車で1時間30分以上かかる距離だ。

「空港発のテーマパークまで直行するシャトルバスがあれば便利ですよね」

 こう語るのは、東京から沖縄観光に訪れていた20代女性だ。開園を迎える頃には、おそらくジャングリア発着の空港バスは運行するだろう。問題はジャングリアからの移動だ。北部の別の観光地やホテルに移動するとなると車は必須だが、レンタカーはハイシーズンとなると、争奪戦がおき、毎年のように価格高騰がニュースになるほど。

 沖縄では東京や大阪と同様に、慢性的なタクシーの台数不足に悩まされている。那覇市では深夜の時間帯となると、タクシーを捕まえるのは至難の業だ。

「電話で呼んでも、たまたま近くに空車のタクシーがあれば良いですけど、ほとんどが遠くから迎えに行くので待ち時間も相当あります。流しのタクシー? 1時間待っても来ませんよ(笑)。田舎だから台数が少ないから」(地元タクシー運転手)

 そうしたなか懸念されるのは開園後の渋滞だ。那覇空港のある沖縄県南部や中部からジャングリアに向かうとなると、ナビで示されるルートは2つ。先に示された道順は名護東道路「世富慶IC」から国道505号線で向かうルートで、この道順を選択するとパイナップル畑が広がる、道幅が狭い農道を通ることに。もう一つは、世富慶ICから美ら海水族館方向の県道84号線を上るルート。

 ジャングリアの来園者は年間300万人から500万人と推計され、果たしてこの交通環境で混雑を避けられるかどうか、疑問符がつく。USJの年間来園者数は1235万人(2022年)、東京ディズニーランドは1200万人(同)。2つの人気テーマパークの3~4割もの来園者を2本の道路で回せるのだろうか。

 ジャングリアから車で約5分の場所にある唯一の集落、名護市中山在住の40代女性はこう言う。

「農道のほうにバイパスが通ると聞いてますよ。だから、目の前の県道84号線はそんなに混まないのでは? 渋滞がなければ日常生活に支障ありませんからね。この辺りも高齢化が著しくて、商売気もないですから、外から来た方が飲食店だったり、お土産屋さんをするんじゃないでしょうか。恩恵が少しでもあれば歓迎する人も増えるんじゃないですかね(笑)」

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