国内

草津町長からの性被害を“でっち上げ”した元女性町議 「肉体関係はなかった」と虚偽発言認めた裁判は4月判決へ

司法の判断はいかに

司法の判断はいかに

 湯畑や湯もみショーなどで知られる群馬県有数の温泉街、草津町。2019年11月、「町長室で町長と肉体関係を持った」などの元町議からの告白文書を掲載した電子書籍が出版されたことで、町は日本国内のみならず海外からも注目を集めることとなった。だがのちに、前橋地裁で開かれた刑事裁判・民事裁判で、「町議による町長からの性被害告発」が虚偽だったことが判明したのだ。刑事・民事ともにいまも進行中の裁判の現在地をリポートする。

 * * *

 全てのはじまりは2019年11月。『草津温泉 漆黒の闇5』というタイトルの電子書籍の発表からだった。飯塚玲児というペンネームで活動するフリーライターによるこの電子書籍には、草津町元町議(当時は現職)である新井祥子氏が町長である黒岩信忠氏と性的関係を持ったという告発が掲載されていた(現在は非公開)。

 同年12月、新井氏は町議会で性被害を訴えたが、その発言が「議会の品位を傷つける」として除名処分を受けた。その後県に対して不服を申し立て、県は翌年8月に処分を取り消したものの、次は町議らが中心となり新井氏の解職を求めてリコール運動を展開。2020年12月の住民投票の結果、過半数が賛成し、新井氏は失職することとなった。国内外のメディアが経緯を疑問視する記事を発信し、“性暴力の告発をした女性に対するセカンドレイプ”だとする声が高まった。

 当時から町長は一貫して新井氏の告発を否定しており、新井氏と飯塚被告に対する告訴状を提出。2022年11月、飯塚被告は名誉毀損罪で、そして新井氏は同罪と虚偽告訴罪でそれぞれ在宅起訴された。飯塚被告の名誉毀損罪での刑事裁判は2023年2月から開かれ、今年1月22日に懲役1年執行猶予3年の判決が言い渡されている。

 まず、この飯塚氏に対する刑事裁判の初公判で、新井氏による「町長からの性暴力」が虚偽だったと明らかになる証拠が検察側から提出された。新井氏が性被害を受けたと主張していた2015年1月8日10時からの町長との面談時の録音が存在したのだ。この録音データについて当初、新井氏は「15分しか存在しない」と支援者らに語っていたというが、公判で証拠として出てきたのは1時間分だった。法廷で再生されたデータは「特に変わったこともなく、町長と議員との普通の会話で、肉体関係を示唆するような内容は一切含まれていませんでした」(傍聴人)という。以降、刑事裁判は“新井氏が町長と肉体関係を持ったという告発は虚偽”であることが検察・弁護側ともに争いのない事実として進んだ。

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン