芸能

《『すぽると』も!》重用か依存か、フジテレビの千鳥起用がさらに進む背景 他局に比べてレギュラーの数が突出

人気が続く千鳥

フジテレビでの起用が続く千鳥

 春の番組改編期に向けて新番組が続々と発表されているが、テレビ業界で注目が集まったのは8年ぶりに復活するフジテレビの『すぽると』。「キャプテン」として千鳥が起用されたのだ。これまでも千鳥を多くの番組で出演させきたフジテレビ。さらに起用が進む背景とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 フジテレビが8年ぶりにスポーツ番組『すぽると』を復活させ、新たに千鳥が「キャプテン」という肩書きで出演することを発表しました。

 千鳥の2人は高校時代、大悟さんが野球部、ノブさんがサッカー部に所属していたものの、これまではスポーツ番組の印象が薄く、実際に「レギュラー出演は初めて」という意外なキャスティング。ただ大谷翔平選手らの世界的な活躍に加えて、今夏にパリ五輪が開催されることも含め、期待の大きさがうかがえます。

 注目すべきは、「2月9日から同じフジテレビの『酒のツマミになる話』MCに大悟さんが就任したばかり」というタイミングであること。松本人志さんの活動休止に伴う対応ですが、大物の代役となるポジションに起用されたところに評価の高さがうかがえます。

 フジテレビはその他でも千鳥が出演するレギュラー番組を3つ放送。しかもその『千鳥のクセスゴ!』『千鳥の鬼レンチャン』『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(カンテレ制作)は、いずれも冠番組である上にゴールデン・プライム帯で放送されています。さらに、『千鳥のクセスゴ!』『千鳥の鬼レンチャン』の2番組は、休日で視聴者の多い日曜夜の放送であり、“局の看板タレント”という位置付けがわかるでしょう。

 ちなみに民放他局のレギュラー番組を見ていくと、『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)、『ぴったり にちようチャップリン』(テレビ東京系)、『相席食堂』(ABC)、『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)、『千鳥かまいたちアワー』(日本テレビ系)は、すべて深夜帯の放送であり、フジテレビの起用が突出している様子がうかがえます。

 さらに、千鳥は昨夏も4年ぶりに復活した『FNS27時間テレビ』の総合司会に起用されたほか、大型お笑い特番の『お笑いオムニバスGP』や『THE MANZAIマスターズ』にも出演しました。なぜフジテレビだけこれほど千鳥を重用しているのでしょうか。

テレ朝と日テレは深夜帯のみで放送

 まずフジテレビ系列における出演番組の開始時期をあげていくと、それぞれレギュラー放送は『千鳥のクセスゴ!』が2020年10月、『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』が2021年4月、『千鳥の鬼レンチャン』が2022年5月にスタート。

さらに2023年も7月に『FNS27時間テレビ』の総合司会を務め、2024年も2月9日に『酒のツマミになる話』のメインMC就任、3月31日に『すぽると!』のキャプテン就任と、2020年代は毎年新たな起用があることに気づかされます。

 これはフジテレビが「2020年代に入って千鳥をバラエティの軸に据えて勝負している」ということ。その背景には2020年春の視聴率調査リニューアルがありました。これによって「番組制作はスポンサー受けのいいコア層(13~49歳)の個人視聴率重視」という方針に変わり、スポンサー営業する上で千鳥がそのシンボルになっていったのでしょう。

 一方で対照的なのがテレビ朝日。2019年4月に月曜深夜帯でスタートした冠番組『テレビ千鳥』を2020年10月に日曜プライム帯の22時25分に移動したものの、わずか1年半後の2022年3月に木曜深夜帯へ再移動しました。番組内容と放送時間帯の相性があるとは言え、テレビ朝日は他のレギュラー番組も含めて千鳥をゴールデン・プライム帯で起用していません。

 また、日本テレビは2021年1月に『千鳥かまいたちアワー』(初期の番組名は『千鳥vsかまいたち』)を日曜昼の時間帯でスタートさせ、同年10月に土曜深夜帯へ移動して現在まで放送を続けています。

同番組は“千鳥とかまいたちの共演”を前面に押し出したコンセプトであり、これはフジテレビ『千鳥の鬼レンチャン』と同じ図式。しかし、フジテレビは日曜ゴールデン帯を選び、日本テレビは土曜深夜帯での放送を続けているところに、千鳥に対する位置付けの違いを感じさせられます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン