闇カジノを摘発し、押収品のバカラ台などを車両に運ぶ警視庁の捜査員ら。2022年10月(時事通信フォト)

闇カジノを摘発し、押収品のバカラ台などを車両に運ぶ警視庁の捜査員ら。2022年10月(時事通信フォト)

 現在は自前でカジノを経営するような組はほぼなくなったと幹部はいう。カジノのシノギは大きいが、絶えず警察のガサ入れを気にしなければならないし、なにより「経営するにはかなりの金がかかる。資金力がない組では無理だ。昔からカジノ経営で有名なのは大阪の一心会だが、そのカジノを弘道会が取り上げたという噂も聞く」(古参幹部)。取り上げたといわれる弘道会は、六代目山口組組長の出身母体で組員も金も持っている。

みかじめ料のとり方

 資金力がなければ、違法カジノ店のボディーガードとしてみかじめ料をもらうのがヤクザだ。縄張りであるシマ内のカジノなら、みかじめ料もすんなり払うだろう。だがシマ以外の組織となればそうもいかない。ところが「みかじめ料を横取りしたり、分け前を寄こせと請求できる」と古参幹部は説明する。

「狙うカジノに、先に客として入店し遊んでいる。そこに半グレみたいのを仕込んでおいて、店の中で騒がせ、自分がそいつを取り押さえるんだ。マッチポンプだね。店は当然、みかじめ料を払っているケツモチのヤクザを呼ぶ。オレはすかさず『どこがやってんの?』と聞いて、できれば取り押さえた男を外に放り出す。そいつらが来たら『オレがいたからよかったが、ぱっぱと取り押さえないとダメだよ』といい、話の流れで『取り押さえたのはオレだよな。オレにもここをやらせろ』というんだ」(古参幹部)

 それで相手のヤクザが納得するのかと聞くと、古参幹部は「相手はオレに借りができたから、嫌とは言えないね」。違法カジノだからこそ違法のみかじめ料が払われる。こうやって違法カジノは暴力団の資金源になるのだ。

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