スポーツ

曙太郎さんの訃報に貴乃花氏が「数々の闘い」「相撲教習所での取組」「ハワイ巡業の思い出」をコメントして追悼 “花の六三組”として空前の大相撲ブームを牽引

2人で平成の相撲ブームを牽引した(時事通信フォト)

2人で平成の相撲ブームを牽引した(時事通信フォト)

 外国出身力士初の横綱となった第64代横綱・曙太郎さんが亡くなった。54歳という若さだった。米国・ハワイ出身で、“平成の大横綱”と呼ばれた貴乃花の前にライバルとして立ち塞がり、土俵を沸かせた。

 初土俵を踏んだのは、1988年の春場所のことだった。その2年後の秋場所で新入幕を果たす。身長2メートル3センチ、233キロの体格を生かした取り口で勝ち星を重ね、1993年の初場所後に横綱昇進。幕内の優勝は11回を数えた。

 同期のライバルが“若貴”だった。1988年(昭和63年)が初土俵の新弟子たちは「花の六三組」と呼ばれ、95人のうち11人が関取になった。そのうち、曙、貴乃花、若乃花は横綱に、魁皇(現・浅香山親方)が大関となった。他にも和歌乃山、力櫻、須佐の湖などがいた。

 当時の幕内の土俵には他にもハワイ勢として小錦、武蔵丸(現・武蔵川親方)がいて、ハワイ勢と若貴や安芸乃島(現・高田川親方)、貴闘力などの藤島軍団(のちの二子山軍団)がガチンコでぶつかった。相撲担当記者が言う。

「北の湖や二代目若乃花の『花の二八組』、小錦、双羽黒、北勝海(現・八角親方)の『花の三八組』があるが、最強といわれるのが『花の六三組』です。兄弟横綱の若貴と曙が数々の名勝負を繰り広げ、1992年の9月場所から1994年の5月場所まで曙との3人で約2年間、優勝を独占したこともある。その間の空前の大相撲ブームを支えた」

 ライバルの死を受けて、貴乃花光司氏は文書でこうコメントを出した。

「哀悼の意を表します。数々の闘いの思い出がありますが、相撲教習所に半年間通った頃の稽古の思い出が出てきます。土俵は3つあり130名ほどでA土俵B、Cと分かれます私たちは、A土俵において猛々しく取組に励みました。

 ハワイ諸島から来日し今日に至るまで日本の文化を感じて幾多の苦労があったかと思います。ハワイ巡業の際には地元ご家族も来ており、穏和な挨拶を交わしたことは新しい記憶のように思い出しています。

 百折不撓の人生観だったと思いますが、これからは身を楽にして安らかに。 第六十五代横綱 貴乃花光司」

(文中一部敬称略)

関連記事

トピックス

日米通算200勝を達成したダルビッシュ有(時事通信フォト)
《ダルビッシュ日米通算200勝》日本ハム元監督・梨田昌孝氏が語る「唐揚げの衣を食べない」「左投げで130キロ」秘話、元コーチ・佐藤義則氏は「熱心な野球談義」を証言
NEWSポストセブン
ギャンブル好きだったことでも有名
【徳光和夫が明かす『妻の認知症』】「買い物に行ってくる」と出かけたまま戻らない失踪トラブル…助け合いながら向き合う「日々の困難」
女性セブン
破局報道が出た2人(SNSより)
《井上咲楽“破局スピード報告”の意外な理由》事務所の大先輩二人に「隠し通せなかった嘘」オズワルド畠中との交際2年半でピリオド
NEWSポストセブン
河村勇輝(共同通信)と中森美琴(自身のInstagram)
《フリフリピンクコーデで観戦》バスケ・河村勇輝の「アイドル彼女」に迫る“海外生活”Xデー
NEWSポストセブン
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
女性セブン
『君の名は。』のプロデューサーだった伊藤耕一郎被告(SNSより)
《20人以上の少女が被害》不同意性交容疑の『君の名は。』プロデューサーが繰り返した買春の卑劣手口 「タワマン&スポーツカー」のド派手ライフ
NEWSポストセブン
ポジティブキャラだが涙もろい一面も
【独立から4年】手越祐也が語る涙の理由「一度離れた人も絶対にわかってくれる」「芸能界を変えていくことはずっと抱いてきた目標です」
女性セブン
生島ヒロシの次男・翔(写真左)が高橋一生にそっくりと話題に
《生島ヒロシは「“二生”だね」》次男・生島翔が高橋一生にそっくりと話題に 相撲観戦で間違われたことも、本人は直撃に「御結婚おめでとうございます!」 
NEWSポストセブン
木本慎之介
【全文公開】西城秀樹さんの長男・木本慎之介、歌手デビューへの決意 サッカー選手の夢を諦めて音楽の道へ「パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています」
女性セブン
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
《元同僚の賭博疑惑も影響なし?》大谷翔平、真美子夫人との“始球式秘話”で好感度爆上がり “夫婦共演”待望論高まる
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
男装の女性、山田よねを演じる女優・土居志央梨(本人のインスタグラムより)
朝ドラ『虎に翼』で“男装のよね”を演じる土居志央梨 恩師・高橋伴明監督が語る、いい作品にするための「潔い覚悟」
週刊ポスト