ライフ

新社会人が戸惑う「どかない系おじさん」 大柄な男性には場所をゆずり、女性が接触すると怒鳴り散らす

ゆずりあい、ぶつからないように配慮するつもりがまったくない「どかないおじさん」がいる(イメージ、時事通信フォト)

ゆずりあい、ぶつからないように配慮するつもりがまったくない「どかないおじさん」がいる(イメージ、時事通信フォト)

 社会人になったことで初めて気づくことはいろいろあるが、そのひとつに、街で出くわす迷惑な人たちの存在がある。人混みのなか、わざと人にぶつかりながら歩く「ぶつかりおじさん」はよく知られているところだが、迷惑な場所に陣取って動かない「どかない系おじさん」もいる。以前、全国に出現する「ぶつかり男」について報告したライターの森鷹久氏が、どかないおじさんに戸惑い、怖い思いをしたという新社会人たちの声をレポートする。

 * * *
「相談した上司に、お前が知らなかっただけだ!と笑われた時にはびっくりしました。でも新社会人で驚く人は結構いるはずですよ。一見普通に見えるのに、こんなに意地悪な人がいるのかと」

 真新しいリクルートスーツ姿の新社会人を多く見かけるこの季節。そんな新社会人にぜひ知ってほしいと訴えるのは、社会人2年目をむかえた都内の大手化学メーカー勤務・土井舞華さん(仮名・20代)だ。

「ターミナル駅や繁華街にいる”ぶつかりおじさん”がネットで話題になったことがありますが、その人たちと同じくらい面倒な人たち電車の中にいるんですよ。絶対に”どかないおじさん”って感じの人たち。電車の扉の入り口付近に立って、他のお客さんの乗り降りの邪魔になっているのになぜかどかない。すみません、と声をかけても無視だし、怒った男性客がわざとぶつかっていってケンカになったのを何回も見たことがあります」(土井さん)

 土井さんが驚いたのは、こうした”おじさん”たちの多くが、どこにでもいる普通のサラリーマンにしか見えないこと。もちろん、酔っ払っているわけでもない。さらに、こうしたトラブルを毎日とまでは言わないまでも、かなりの頻度で目撃している。通勤時に見かける光景にうんざりしているだけでなく、自身も被害を受けたと話を続ける。

「満員電車の奥の方が空いているのに、吊り革に捕まって通路を塞いでいる男性がいたんですよ。すいませんと言っても無視されました。そのうち、さらに混雑してきたとき、人波に押し出されて男性にぶつかってしまったら、すごい剣幕で怒鳴られたんです。近くにいた若い男性が代わりに文句を言ってくれましたが、なぜ邪魔になっているのにどかないのでしょうか。嫌がらせなの何なのか、単純にわかりません。朝からあんなに嫌な気分になって、仕事中も思い出したら震えが止まらなかったです」(土井さん)

「ぶつかりおじさん」と「どかないおじさん」のふたつに共通しているのは、一般的な女性と比較すると大柄な男性であるということだろう。筆者も、電車内で「どかない」系のおじさんに遭遇したことがあるが、女性の邪魔になっている時は無視を決め込む一方で、自分よりも大柄な男性が近づくと率先して体を寄せ、触れることのない位置に小さく収まった。彼らの振る舞いは姑息でどうしようもないので、くだらないと無視するのもひとつの考え方だろう。だが、実際に起きているのは怪我の可能性もある、弱者をターゲットにした暴力行為と言っても過言ではないのだ。

関連記事

トピックス

WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
高校時代には映画誌のを毎月愛読していたという菊川怜
【15年ぶりに映画主演の菊川怜】三児の子育てと芸能活動の両立に「大人になると弱音を吐く場所がないですよね」と心境吐露 菊川流「自分を励ます方法」明かす
週刊ポスト
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
2020年に引退した元プロレスラーの中西学さん
《病気とかじゃないですよ》現役当時から体重45キロ減、中西学さんが明かした激ヤセの理由「今も痺れるときはあります」頚椎損傷の大ケガから14年の後悔
NEWSポストセブン
政界の”オシャレ番長”・麻生太郎氏(時事通信フォト)
「曲がった口角に合わせてネクタイもずらす」政界のおしゃれ番長・麻生太郎のファッションに隠された“知られざる工夫” 《米紙では“ギャングスタイル”とも》
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン