吊り革を利用してまで「どかない」努力をする人もいる(イメージ)

吊り革を利用してまで「どかない」努力をする人もいる(イメージ)

動かない系に加えて迷惑なこと

「通路塞いでどかない、動かない系もいますけど、足を広げてドーンと座ってる男の人も多いです。体が大きい、と言われればそうかもしれませんが、女性とかお年寄りの前だけでわざとやっているような気もします」

 神奈川県在住の社会人3年目、牧島ゆうさん(仮名・20代)は、入社後はコロナ禍の影響でリモート勤務も多かったが、昨年ようやくバスと電車を使った通勤をするようになった。学生時代にもほぼ経験がなかったバス通勤だが、ほぼ毎朝遭遇するという、我が物顔で足を広げ、およよ1.5人分の座席を占拠する男性客の存在に辟易している。

「どんなに混んでいようと、2人がけの席を1人で使っているんです。みんな怪訝な目で見ていますが、誰も注意しようとはしません。ただ一度、作業着姿で金髪の若い男性が乗った来た時は、そっと詰めていたんですよね。結局弱いものの前でそうするしかできないのかと、情けなくなりました。電車の中にも同じような男性が結構いて、例外なく、女性や高齢者の前だけで強がっているように思います」(牧島さん)

 筆者が「ぶつかり男」について記事を書いたときも、そして今回も同様に「(歩きながらスマホの)ぶつかり女だっている」、「どかない女もいる」というような反論があるだろう。確かに、少なくはあるものの、若い新社会人の男性から同様の声が上がっている。都内のキー局勤務で社会人2年目・森田翔也さん(仮名・20代)が振り返る。

「どかないというより逆で、混雑しているのに、手に大荷物を持って、吊り革にも捕まらず、スマホから目を離さず、周囲の人にガンガン当たりまくってる女性とかいますよね。小柄だから、こちらが気が付かずに当たって怪我なんかさせないか心配です」(森田さん)

 こういう声がないわけではないが、迷惑な「どかない系」は、圧倒的に”おじさん”が占めているのは誰もが持つ印象だろう。そして、問題の始まりを忘れてはいけない。新社会人たちが驚いているのは、その迷惑な人たちが男か女かということより、こうした厚顔無恥な人々が、社会には意外と多くいるという現実なのだという。

「ぶつかりおじさんにしても、どかない人にしても、面と向かって人を困らせたりして、なぜ普通の顔していられるんだろうと素朴に思いますよ。周りの人たちからも怪訝な顔で見られて恥ずかしいとか思わないのか。毎朝使う路線で、身近な人が使っている可能性だってあるのに、周囲からどう見られても良いのか。いろんな人がいるという、これも社会勉強かもしれませんが。ちょっと病んでますよね」(森田さん)

 このような理不尽を新社会人に「社会勉強」と思わせざるを得ない社会を作った我々にも、その責任には大いにあろう。しかし、やはり新社会人もまた、この病的な現状に慣れ、日常として受け入れるようになっていくのか。

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