「能登半島地震復興応援チャリティーマッチ」後に行われた「知って、肝炎プロジェクト」による啓発活動
「私たちが足を運んで愚痴を聞きたい」
伍代はこれまでも夫の杉良太郎と能登半島地震の被災地を訪れて、炊き出しを行ってきた。現地へ入ったからこそ感じた、被災地の健康課題もあるという。
イベント終了後、伍代に話を聞いた。「地震から間もない1~2月初旬は寒く、避難所での感染症が特に心配される時期でした。被災地ではコロナやインフルエンザが流行り、私たちが外からウイルス持ち込まないのはもちろん、持ち出さないようにも細心の注意を払いました。
避難所の中には隔離されたスペースもあり、寝たきりの方などが利用されていました。避難所ではいつも飲んでいるお薬が手に入らず、持病の症状が悪化してしまった方もいらっしゃいました」。
2月末には杉と七尾市能登島を訪れ、熱々の肉うどんや焼きそばを振る舞った。「下水道がまだ完全に復旧しておらず、炊き出しに使うお水もすべて東京から運びました。今は復旧が進んでトイレの環境なども改善されて、流通も整ってきています。これからは食べ物や物資というよりも、別の形での支援が求められると感じています」。
伍代はこの先の支援として、心のケアを挙げる。「被災から時間が経った今のほうが、不満が噴き出しやすいと思います。やっぱり皆さん、心に溜まっているモヤモヤを話したいんですよ。“どうしてもっと早く対応してくれないの”“いつになったらウチを片づけてくれるの”と、あれこれ不安を抱えている。そのために私たちが足を運んで愚痴を聞きたい。皆さんが抱える問題の解決はそう簡単ではありませんが、せめておしゃべりの相手になれたら」。
愚痴をすっきり吐き出して、ストレスを手放す。心の健康も、見落とされてはいけない被災地の健康課題だと、力を込める。「お会いすると皆さん、堰を切ったようにおしゃべりが止まらないんですよ。こちらから何か声をかけなくても“こないだ歌番組で見たわよ”から始まって、“甘いものが食べたい”“あの曲を歌って”なんて口々におっしゃる。だから私も“また今度ね”って。そうすれば約束にもなりますから」。
現地を知るからこそ一過性ではなく、長期的に支援していく必要性を痛感していると語る。継続の大切さは、12年に始まった「知って、肝炎プロジェクト」の歩みにも通じるという。
「肝炎ウイルス検査の重要性をずっと訴えていますが、中々聞き入れてもらえず、時々はめげることもあります。それでもC型肝炎の治療薬の進歩もあって、感染者数の減少に明るい兆しも見えつつある。おかげで最近ではようやく、生活習慣が招く脂肪肝など、肝臓にまつわる健康リスクに広く触れる余地もでてきました」
続けてきたことで前進もある。それを励みに、肝炎撲滅へ向けて粘り強く活動していきたいと誓った。
