やってはいけない「サプリメント×薬」

やってはいけない「サプリメント×薬」

「薬の多剤併用は危険だという意識は高まりつつありますが、“サプリメントは薬ではない”と考え、薬と多種類のサプリメントを同時に摂取する人は少なくありません。かかりつけの医師や病院に、日頃のんでいるサプリの摂取について伝えないと思わぬ健康被害を招きかねません。

 たとえば高血圧や糖尿病などで血液の流れが悪くなり、血栓ができるのを防ぐために抗凝固剤を処方され服用している人が、症状を改善しようとEPAやDHAのサプリメントを摂るのは危ない。EPAやDHAには血液をサラサラにする効果があるので、抗凝固剤の作用を増長させ、出血しやすくなり、脳出血を引き起こす可能性もあります」(長澤さん)

 薬剤師の三上彰貴子さんも、薬とサプリメントの併用に警鐘を鳴らす。

「年を重ねると高血圧の症状を抱えて降圧剤を処方される人は多い。ただしDHAやセサミンなどを同時に摂ると降圧剤の作用を高めて急激な血圧低下をもたらし、めまいやふらつき、転倒のリスクがあります」

更年期のサプリは過剰摂取に注意

 女性の場合、閉経とともにホルモンが変化し、骨粗しょう症になりやすい。骨を強くしようとカルシウムを含んだサプリをのむ際には注意が必要だ。

「更年期障害や不妊治療などでホルモン剤を服用している人は、大豆イソフラボンとののみ合わせは避けた方がいい。両者には同じような作用があるため、過剰摂取になって体調を崩すことがあります。乳がんなどの治療をしている人も避けてください。

 また、骨粗しょう症薬として活性型ビタミンD3製剤を処方されている人はカルシウムをサプリで摂ってはいけません。カルシウムが過剰に吸収されてしまい、倦怠感や食欲不振などの症状を伴う高カルシウム血症や、不整脈から心不全を引き起こす恐れもあります」(三上さん)

 薬の作用を強めて危険をもたらすものもあれば、その逆もしかり。

「風邪や感染症で抗生物質を処方された際には、カルシウムやマグネシウムなどのサプリメントはのまない方がいい。体内でキレートという構造を作り、充分な薬の効果が得られなくなります」(長澤さん)

 いま自分がどんな薬、そしてサプリをのんでいるか、まずはおくすり手帳で管理することから始めよう。

取材/小山内麗香 写真/PIXTA 監修/長澤育弘さん

※女性セブン2024年5月9・16日号

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