社債を売るために“夜の営業”も
主犯格のグランシールド社長、中村容疑者の他、元社員の秋元宙美(38)、佐武敬子(35)、鍵井チエ(34)、池田博文(35)の4人が逮捕。さらに共犯者としてトラステールの社長の高橋章(61)、同社役員の鈴木成樹(71)、関連法人役員の竹井和徳(64)の3容疑者とあわせて8人の逮捕者が出た。
さらにグランシールドは今回の問題だけでなく、運営する歯科医院で「歯科矯正のモニターが実質無料」というキャンペーンでも多額の資金を集めたが、トラブルとなっていた。自らも被害に遭ったグランシールドの元関係者が明かす。
「会社に関わりながら、私もお金を支払った被害者でもあるんです。歯科矯正のモニターは銀座の歯科医院だと最初に187万円、石神井の歯科医院は154万円を支払ってモニターとして治療内容をPRすると、毎月5万円キャッシュバックされて、3年で実質無料になるというものでした。
著名な歯科医が関わっていたこともあり、少なくとも27億円を集めていたという報道もあります。しかし、ウクライナの問題で海外送金がストップしたという意味不明な理由で月々のキャッシュバックが急に止まりました。昨年1月には損害賠償訴訟請求も起こされ、『グランシールド』は破産しました。私は『トラステール』の社債も500万円分買っていますが、どちらも半分程度しか戻ってきていません」
社債と歯科医モニターだけで優に100億円以上もの資金を集めていたグランシールド。しかしメンバーは中村容疑者のほか、数人の業務委託契約を結んだメンバーだけしかおらず、10人にも満たないという。
「社長の中村は、カリスマ性があるんです。元々医者に医薬品などを営業するMRでトップクラスの成績を残し、保険業界に来ました。大手保険会社ですぐに頭角を現し、MDRTというエリートだけが入会できるステータスのトップの称号を持っています。5万人くらいいる保険業界で10人くらいしかいません。
そして独立して保険代理店を営みながら、社債や不動産にも手を出していました。知識が多く、話すのがとてもうまいのは事実です。社債を扱ったのはキックバックの割合が大きく、稼ぎやすいからです」(前出の会社関係者)