駐車場には不法投棄と思われる家庭ごみが散乱。中には包丁もあった。
15年以上通い続けるヘビーユーザーの男性にも話を聞いた。
「サウナが安いからいいよね、他には行けないよ。あとお風呂も熱くてね、先代のとき温度計持ってきて測ったことあったんだけど45℃もあったよ(笑)。最近は若い客でまわりに迷惑をかける子もいるよね。4人とか5人でくる。風呂のへりに座ってダベっててさ、注意したことあるもん。入らないなら外で話してくれるかなって。本人らは楽しいんだろうけどね、最低限周りに気を遣ってほしいよな。
それから、金を払わないでサウナを勝手に使う客もいたみたいだね。でもさあ、言ったことあるのよ、兄ちゃん(店主の夫)に。勝手に使わせたくないなら、ロッカーの鍵の色とかで区別するすればいいじゃんって。そうしたら『それだとお客さん同士で監視みたいに見合うようになるから嫌だ』って。見た感じの通り優しすぎるのよね」
女性店主に聞いた閉鎖理由と今後
利用客からは閉店を惜しむ声が相次いだ。しかし冒頭のように備品盗難やゴミの投棄などがあり、閉店を決断した店主の女性。風呂とサウナを堪能した後、彼女にも話を聞いた。
「うちは『湯自慢』でしたからねえ。常連客の方には閉めることになって申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも蛇口を壊したりする心ない人がいるのは残念でした。Xの投稿は犯人探しをしたくて書いたわけじゃないんです。なので詳細をお話しするのは控えますが、もう嫌なことがたくさんあってその全てが原因なんです。
これだけは嫌だった…それはもう警察沙汰になったことですよね。うちの破損ではなくて、お客さんがサンダルとか貴重品を盗まれたとか。女風呂ののぞきもありました。駐車場には防犯カメラを設置しました。お風呂の中には設置できませんから……」
満身創痍といった様子の女性店主。しかし──。
「ここでお風呂屋さんやりたいって人が現れたんですよ。あの、バズったおかげで(笑)。2件ぐらいきてくれて、今度直接会ってお話をします。ありがたいお話です。常連の良いお客さんもいますので、どのような形であれ再開できると良いかもしれません。でも私たちはもうやりたくない。引退です。もうストレスがすごくて……」
町の銭湯はこうして、減り続けている。