ビジネス

福井県の鉄道3社が連携 経費削減、運転士不足解消、利用者還元を果たせるか

JR福井駅前広場の恐竜のモニュメント(時事通信フォト)

JR福井駅前広場の恐竜のモニュメント(時事通信フォト)

 東尋坊に永平寺、越前ガニや鯖江のメガネ、恐竜博物館など、イメージはいくつか浮かぶものの、首都圏からは足を伸ばしづらかった福井県が、北陸新幹線の延伸によって実際に遊びに行く地域として注目を集めている。福井駅前に県内初の億ションが登場するなど新幹線によってお祭り気分がまだ続くなか、地域の公共交通に求められる未来へ繋がる運営、運行の新しい形を模索した試みが福井県で始まっている。ライターの小川裕夫氏が、ハピラインふくい、福井鉄道、えちぜん鉄道の3社による福井県鉄道協会発足についてレポートする。

 * * *
 2024年3月に福井県の敦賀駅まで延伸開業を果たした北陸新幹線。そのフィーバーは春休み・ゴールデンウィークと続き、夏休みも多くの観光客・来街者でにぎわうことが予想される。

 新幹線特需に沸く福井県だが、その一方で並行在来線の北陸本線の一部区間が第3セクターのIRいしかわとハピラインふくいの2社に分離。生活の足として利用していた北陸本線が第3セクターへと移管されることに不安を覚える地元住民もいるだろう。

 新幹線開業に伴って北陸本線の福井県区間はハピラインふくいに改組したが、今のところ北陸新幹線フィーバー効果もあり、利用者は堅調に推移している。

 しかし、どんなフィーバーでも時間とともに沈静化する。フィーバーが過ぎ去った後、ハピラインふくいが安定的に利益を確保し、住民の足として信頼される鉄道になるかどうかは現段階では未知数だ。

 新幹線の開業とともに北海道の道南いさりび鉄道、青森県の青い森鉄道、岩手県のIGRいわて銀河鉄道、長野県のしなの鉄道、鹿児島県と熊本県をまたぐ肥薩おれんじ鉄道など次々に誕生した第3セクターはどこも赤字に苦しんでいる。

 ゆえに、今回の北陸新幹線延伸でも第3セクターとして発足した鉄道各社には同様の事態が起きると危惧されている。

 そうした中、新たに誕生したハピラインふくいと旧来から福井県内で鉄道事業を運営してきた福井鉄道・えちぜん鉄道の3社が福井県鉄道協会を6月5日に発足させた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン