芸能

【映画『九十歳。何がめでたい』が公開】“百歳”佐藤愛子さんが“九十歳”草笛光子に宛てた手紙「まだまだ、お若いと…」 

イベントに登壇した草笛光子、唐沢寿明ら出演者たち(撮影/浅野剛)

イベントに登壇した草笛光子、唐沢寿明ら出演者たち(撮影/浅野剛)

 作家・佐藤愛子さんのベストセラーを映画化した『九十歳。何がめでたい』。この映画の公開記念イベントでは、佐藤さんから主演の草笛光子に宛てた手紙が紹介された。同イベントを取材した、放送作家でコラムニストの山田美保子さんがリポートする。

 * * *

 社会現象を生んだシリーズ累計178万部の超人気エッセイが、主演・草笛光子×『老後の資金がありません!』の前田哲監督のタッグにより映画化。エッセイと同名の『九十歳。何がめでたい』として、6月21日より絶賛公開されている。

「あなたの悩みも“一笑両断”!」「2024年No.1 笑いと共感の痛快エンターテインメント」のキャッチコピーの同作は、キャストの一人で、17年ぶりに復活した「淀川長治賞」を受賞した映画コメンテーターのLiLiCoによれば、「家族3代で観られる珍しい映画」「みんな忙しいから、99分というのも丁度いい」とのことだ。

 20日に実施された「祝公開前日祭」には、草笛、前田監督に加え、唐沢寿明、真矢ミキ、藤間爽子、LiLiCo、宮野真守、そして主題歌『チーズ』を歌う木村カエラが花束を抱えてサプライズ登場した。

 同イベントの中で、既に映画を観終わっていた約600名が耳を澄ませて聞いていたのは、原作者の佐藤愛子氏から主演の草笛光子にあてた“お手紙”。当日、MCを務めたTBSの山本恵里伽アナウンサーが代読した。(以下、全文)

「草笛さん、映画『九十歳。何がめでたい』の完成おめでとうございます。お疲れ様でした。

 常人にはとても理解できない佐藤愛子という人間を演じた草笛さんには、つくづく私の可笑しさが身に沁みて、困惑されることも多かったのではないかと思うと、同情申し上げるやら、申し訳なく思うやら、心中察するに余りあります。

 幼稚園児やメイド服、幽霊や落武者など、私が親しい友人に送った年賀状のコスプレ写真の撮影にも、たいへん苦労されたと聞きました。

 肺炎になられたと聞いたときには驚きましたが、たちまち回復されて、さすが九十歳。まだまだ、お若いとホッと胸を撫でおろしました。

 私は『九十歳。何がめでたい』の最後に、『人間はのんびりしようなんて考えてはだめだということが九十歳を過ぎてよくわかりました』と書きましたが、百歳になったこの頃は、のんびりという状態がどういう状態なのか、わからなくなってきました。

 のんびりしているのではなく、ぼんやりしているだけか、今から思えば、あの頃はすごく元気だったんですね。

 九十歳の草笛さんののんびりと、百歳の佐藤愛子ののんびりは違うと思います。今度お目にかかるときに、お互いののんびりについて話し合いましょう。その日を楽しみにしています。お元気で。六月二十日 佐藤愛子」

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン