国際情報

《トランプ前大統領銃撃事件で使用》「全米で広く出回る」AR-15ライフル、日本の暴力団が「使わない」理由

米東部ペンシルベニア州バトラーで、警護官に囲まれるトランプ前大統領(EPA=時事)

米東部ペンシルベニア州バトラーで、警護官に囲まれるトランプ前大統領(EPA=時事)

 ドナルド・トランプ前大統領が銃撃された事件で犯行に使われたライフル銃について、容疑者の父親が合法的に購入していたもので、米国でもっとも人気が高い銃だと報じられ、日本に住む多くの人は驚かされただろう。警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、日本では実感しづらい、ライフル銃が身近にあるということについて解説する。

 * * *
 7月13日、米・ペンシルベニア州で開催された集会で、演説をしていたトランプ前大統領が銃撃された。銃撃を受けた瞬間についてトランプ氏は、不法移民のデータを紹介するスクリーンを見るため振り返ったことで、奇跡的に死を免れたと語っているという。

 銃撃した容疑者は現地在住の20歳、トーマス・クルックス容疑者。使用されたのはAR-15ライフル。悲惨な銃乱射事件で度々使われてきたこの銃が、今回もまた使用された。容疑者は続けざまに8発を発砲。そのうちの1発がトランプ氏の右耳を貫通。集会に参加していた地元の消防士1名の命を奪い、2名が重傷を負っている。

 日本ではサバイバルゲームの愛好者たちの間でよく知られているという銃だが、暴力団の抗争事件などではほとんど使われたことがない。その理由を元暴力団関係者に尋ねると、「入手するのが難しいこともあるが、もし手に入ったとしても拳銃より隠しておくのが難しいからいらない」という。

 事務所や自宅などに隠そうにも、拳銃ならコンパクトで隠しやすいが、1メートル近いライフルだとそうはいかない。誰かに預かってもらうにも、拳銃ならバッグに入れればわからないがライフルは無理だ。車ならいいが、それ以外だと持ち運ぶにも目立ってしまう。密輸しようにもライフルは大きすぎる。ヤクザ映画などでは、拳銃を背中に隠してターゲットに近づき、いきなり取り出して銃撃するシーンがよくあるが、ライフルだと背中に隠すこともできない。拳銃よりも殺傷能力が高く、命中しやすいといわれるAR-15もヤクザにとっては、実用的とはいえないようだ。

世界では身近に存在するライフル銃

 AR-15のARは、これを開発した銃製造会社の名前アーマライト・ライフルの略だ。軍隊経験のある米国人の友人によると、ARはアメリカのライフルという意味で使われることがあるという。それだけ銃社会の米国の中でも人気が高く愛好者の間では銃文化を象徴するような銃らしい。スポーツライフルとして、また狩猟を楽しむことを目的に全米に広く出回っており、その数は約2000万丁とも2400万丁ともいわれている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

新関脇・安青錦にインタビュー
【独占告白】ウクライナ出身の新関脇・安青錦、大関昇進に意欲満々「三賞では満足はしていない。全部勝てば優勝できる」 若隆景の取り口を参考にさらなる高みへ
週刊ポスト
受賞者のうち、一際注目を集めたのがシドニー・スウィーニー(インスタグラムより)
「使用済みのお風呂の水を使った商品を販売」アメリカ人気若手女優(28)、レッドカーペットで“丸出し姿”に賛否集まる 「汚い男子たち」に呼びかける広告で注目
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
《出所後の“激痩せ姿”を目撃》芸能活動再開の俳優・新井浩文、仮出所後に明かした“復帰への覚悟”「ウチも性格上、ぱぁーっと言いたいタイプなんですけど」
NEWSポストセブン
”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン