変顔だろうか
母親の交際相手の財布からお金を盗んで家出
伊藤被告は仕事での失敗経験や発達障害の診断から「私には夜の仕事しかできない」と考えるようになり、風俗の世界に身を置くようになった。もともと14歳で援助交際をした経験も複数回あるといい、身体を売ることへの抵抗が少なかったようだ。
しかし、「家族の視線が厳しかった」と、家に居場所を見つけられず、24~25歳の頃に家出を繰り返し、岐阜市内の病院に入院することになる。退院後はグループホームに行くが、犯罪に手を染めてしまう。伊藤被告が世話人の財布からお金を盗んだのだ。
これをきっかけに実家に戻った伊藤被告は、東京に出ることを決意するようになったという。その際の交通費は母親の交際相手の財布から盗んだお金だった。以降、事件を起こすまでの約1年間、家族とは一度も連絡をとらなかった。
東京での住居や仕事にアテもなく、歌舞伎町のネットカフェに寝泊まりするようになるが、すぐに所持金が底をつきる。消費者金融から10万円借りたというが、現在に至るまで返していない。
「金遣いが荒い」と自覚している伊藤被告にとって、生活保護と障害年金だけでは足りず、また風俗で働き出すことに。出勤はまちまちで、1日の出勤で1万5000円あれば多いほうだったという。稼いだお金は「一人で心細くて」と、飲食費や遊興費に溶けた。手当時を振り返り、伊藤被告は「お金を使う」行為が目的となっていて、それが生きる意味にもなっていたと明かしている。