石坂が役者デビューしたのは高校時代
「どうしたって老いる」
矍鑠とした生活の土台には「家」がある。何より落ち着くのは自宅で台本を読んでいる時で、家にいる時は台所に立って料理に腕を振るう。
「中学生の頃に母が病気になり、私が料理を始めたんです。金田一シリーズでは牛肉ばかり食べたがる市川監督のために毎回頭を悩ませながらお昼ご飯を作りました。
映画『私は貝になりたい』(2008年)では中居(正広)くんが減量で苦しんでいたので、オールアップの日にカツカレーを振る舞った。いまも家では毎晩妻の分まで私が出汁から取って作ります。知ってます? いい鰹節は味が段違いなんですよ。妻はそこまで拘らない人だから、我が家は私がいなくなったら妻が困るんじゃないかな(笑)」
妻は「ろうがんず」のメンバーでもあり、夫婦でプラモデル作りを愉しんでいるという。
仕事もプライベートも充実する一方の石坂だが、年々、大事にするようになったことがある。
「大切なのは『肯定』と『否定』を半分ずつ持つこと。たとえばテレビや芸能界を50%は肯定するけど50%は否定します。肯定がないと落ち着けないし、否定がないと変化や進化が生まれません。これは仕事に限らず、人生のあらゆることに通じる考え方だと思います」