ライフ

暴力団幹部が語る職務質問体験 警察官が車のトランクから見つけた意外なもの、そして表情が変わった理由

「職務質問」はよくあること(写真/イメージマート)

「職務質問」はよくあること(写真/イメージマート)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、暴力団幹部が語る職務質問体験について。

 * * *
 こういうことはよくあることと、指定暴力団のある幹部が話す。車で走行中、パトカーに交通違反?で停められたのだが、完全な違反ではなかったようだ。停められた理由は別にあった。

 片側二車線の道路、前を走るバスが交差点前の停留所で停まったため、幹部は追い越そうとウィンカーを出した。だが後方からパトカーが来るのが見えたので、一瞬ハンドルを切り返した。「それがいけなかった」と幹部は笑った。ウィンカーが消えてしまったのだ。彼はそのままバスを追い越した。

 赤信号の交差点、横にパトカーが並び、助手席の警察官がじろじろと幹部を見ていた。「嫌な予感がしたが、前を向いていた」という幹部。その予感は的中する。青信号で発進すると、「紺の○○の運転手さん、左に寄せて停まって下さい」とマイクで呼び止められたのだ。こうなれば応じるしかない。数メートル走り、幹部は車を道路脇に寄せて停車した。

 警察官が2人、車に近づく。コンコンと窓を叩かれ、素直に窓を開けた。経験上、こういう時は無駄に反抗してはいけない。

「困りますねぇ、運転手さん。ウィンカー出してませんよ」といわれ、「パトカーが見えたので切り返したら、消えちゃっただけですよ。きちんと出しました」と落ち着いて答える。語気荒く反論するのは禁物だ。

 先輩らしき警察官は幹部の顔を見た後、窓に顔を近づけ車の中を見回した。その瞬間、ピンときたと幹部はいう。

「運転免許証を出してください」と先輩警察官。
「違反なんかしてませんよ」と答えると、「違反じゃありません。免許証を」。

 やっぱりだ。ウィンカーは車を停めるためのきっかけに過ぎなかった。ヤクザを捕まえたい時、とりあえず別件の容疑で逮捕するのは警察の常とう手段の1つだ。

「あぁ、職質ですか」と幹部。
「そんなものです」と先輩警察官

 顔を見て、職務質問したほうがいいと判断されたのだ。ヤクザも年季が入れば、醸し出す雰囲気も風貌もそれなりに変わっていく。

「このクソ暑いのに、外には出ませんよ」と応じた幹部。職質となれば話は別だ。違反で切符を切られることはないだろう。法律上、職質は拒否できるが、ヤクザが拒否すれば面倒になるだけだ。都心でも真夏日になったこの日、日光が照り付ける場所は40℃近かった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

連ドラの主演を2クール連続で務める松本若菜
【まさに“代打の女神さま”】松本若菜、“別の女優が急きょ降板”で10月ドラマで2クール連続主演 『西園寺さん』も企画段階では違う大物女優が主演の予定だった
女性セブン
史上最速優勝を果たした大の里(時事通信フォト)
【角界の世代交代】史上最速優勝の大の里に包囲網 最大のライバルはたたき上げの平戸海、日体大の同級生だった阿武剋・旭海雄・石崎らにも注目
週刊ポスト
33年ぶりに唐沢寿明が鈴木保奈美と共演する
【地上波ドラマでは『愛という名のもとに』以来33年ぶり】唐沢寿明、2025年1月期で4年ぶり民放連ドラ主演、共演は鈴木保奈美 テレ朝は大きな期待
女性セブン
一時は通常の食事がとれないほどだったという(7月、岐阜市。時事通信フォト)
宮内庁の来年度予算概算要求「医療環境の整備等」が約1.5倍に増額 “大腸ビデオスコープ”への予算計上で再燃する紀子さまの胃腸への不安
女性セブン
事件現場となったアパート
《東大阪・中高生3人誘拐》「事件の夜、女の子の怒鳴り声が」咳止めの市販薬を80錠使用して急性薬物中毒に…逮捕された男のアパートで目撃された“黒髪の女子学生“
NEWSポストセブン
NHKの山内泉アナ
《極秘結婚していたNHK山内泉アナ》ギャップ感あふれるボーイッシュ私服は約9000円のオシャレブランド お相手は慶応同級生…大学時代から培った「ビビットな感性」
NEWSポストセブン
不同意わいせつ容疑で書類送検された山口晋衆院議員(Facebookより)
《不同意わいせつ容疑で書類送検》自民・山口晋議員、エレベーター内キス目撃した20代女性の母親に「ガス会社の社員」を名乗った理由
NEWSポストセブン
長澤まさみ
松本潤、野田秀樹氏の舞台で共演する長澤まさみを“別宅”に招いて打ち上げを開いた夜 私生活では距離があった2人がお互いを高め合う関係に
女性セブン
三田寛子がSNSに載せた初めてのツーショットの真相
《三田寛子の誕生日ツーショット》実は「バースデー当日の写真ではない」疑惑が浮上 中村芝翫は愛人と同棲する家へ直行していた
NEWSポストセブン
妻とみられる女性とともに買い物に出かけていた水原元通訳
《買い出しツーショット》水原一平被告が痩せてロン毛に…購入した「米とビール」にみる現状の生活
NEWSポストセブン
斎藤元彦知事。職場外でも“知事特権”疑惑が(時事通信)
【まるで独裁者】兵庫県・斎藤元彦知事「どこでも仕事すべき」と論じるSNS投稿に映しだされていた「真っ白なGoogleカレンダー」
NEWSポストセブン
再婚発表に賛否両論
東出昌大、再婚の裏側 親しい知人への報告は「発表の直前」 “山暮らしの後輩女優”の1人はSNSで「勝手」と意味深なメッセージ
女性セブン