国際情報

香港政府治安担当部門の最高責任者が香港政府批判への取り締まり強化を示唆 「明報」編集長がコラムニストらに暗に自制求め物議

「香港政府批判」への取り締まり強化か

「香港政府批判」への取り締まり強化か

 香港政府の治安担当部門の最高責任者、トウ炳強(クリス・タン)香港保安局長が8月中旬、香港紙「明報」関連の討論会で、香港メディアの香港政府批判について、取り締まり強化を示唆する発言を行った。そして、明報編集長が同紙に寄稿するコラムニストらに対して、原稿について、「慎重」かつ「法を遵守する」よう促し、そうでなければ「危機が来るかもしれない」と警告していたことが分かり、物議を呼んでいる。

 トウ氏が香港メディアに圧力をかけたと受け取れかねないだけに、「香港の報道の自由が大きく損なわれている」と香港のオンラインメディア「香港01」が報じた。

 トウ氏の発言は「『香港政府に対する憎悪を煽る意図はない』というコメントをコラムの下に入れただけでは、出版物が公正で客観的、かつ偏見のないものであることを保証する編集者の責任は果たせません」というものだった。

 この討論会の数日後、同紙編集長が同紙のコラムニストに「コラムは正確な事実に基づいていなければならない。法律を遵守し、慎重でなければならない。さもなければ、いつ危機が訪れるかどうかと言うことは難しい」と指摘するメモを送っていたことをコラムニストの1人がSNSで明らかにした。

 メモはさらに、「明報が香港の新時代に自らと使命を遂行し、第四の権力の役割を果たすことは、重い責任であり、長い道のりであり、特に注意が必要である。今後、時事問題についてコメントする際には、より慎重になっていただくよう、心からお願いします」などと続けており、過激な香港政府批判を自制するよう暗に求めている。

 香港では今年4月、国家の安全を脅かす行為を取り締まる「国家安全条例」が可決・施行されたことを受け,報道の自由が損なわれると国際機関や各国から懸念の声が相次いでいる。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が8月3日発表した2024年の世界各国・地域の報道自由度ランキングで、香港は対象180カ国・地域のうち135位とこれまでで最低だった。

関連記事

トピックス

「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
3年間に合計約818万円のガソリン代を支出していた平口洋・法務大臣(写真/共同通信社)
高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」
週刊ポスト
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン