商店街では阪神に「マジック6」が点灯していた
例年とは違う「異例の対応」のワケ
阪神の残り試合数は5。9月23日の巨人戦に負けたことで、商店街のマジックは6のままなわけだが、巨人にマジックが点灯しているのに数字が掲示されているのはなぜなのか。数字を減らす担当者で、ボードの前に位置するペットショップを営む尾島晴己店長に聞いた。
「例年は他球団に本物のマジックが点灯すると、めでタイガーのマジックを外すことになっているというのはたしかです。ですが、今年は大接戦。巨人のマジックが消えて阪神に点灯する可能性も残っている。商店街の役員が集まって話し、引き続きマジックを点灯させることにしたんです。これまで通り、勝った日に残り試合まで数字を一気に減らしています」
巨人がマジックをどこまで減らしたら掲示をやめるのかと聞くと、「可能性がある限りは……」と歯切れが悪いものの、こう続けた。
「実は優勝セールの準備も密かに進めているんです。ただ、飲食店はビールなどのサービスで対応できるが、うちのような店はそのために仕入れないといけないのでね……。それでもアレンパを信じて細々と準備はしています」
商店街を歩いてみたが、優勝応援セールをしている店はなかった。「さっきもお客さんと話していたんですが、今は阪神タイガースより兵庫県知事のほうが気になるようです」と尾島店長は苦笑いするが、勝負事は下駄を履くまでわからない。アレンパを信じてマジック点灯を続けさせる商店街の願いは叶うだろうか。