Taigaが事故の時に着用していた洋服(写真提供/Taiga)
「昨年、芸能界引退を考えた」
TaiGaによると、許可なくやっくんの名前を使い、バンドのグッズ類を販売されたり、身に覚えのない因縁をつけられ、多額のお金を請求されることがあったという。
「なかには、『桜塚やっくんのバンドメンバーはウチの所属アーティストだ。仕事の話はすべて自分を通せ』と偽る人までいました。人が亡くなっているのに、なぜこんなひどいことができるのかと……。人間の嫌な部分を目の当たりにしてしまい、この時はもう怒りや悲しみを通り越し、笑うことしかできませんでした。僕が二人を思い、泣くことができるのは、やっくんが出ているライブ映像を編集している時でした。悔しさや悲しみ、もう一度会いたい気持ちが溢れてしまい、パソコンの前で何度も作業する手を止め、溢れる涙をタオルでぬぐいながら編集作業をしていました」
こうして過去を振り返っていたTaiGaだったが、突然黙り込んでしまった。そして、しばしの沈黙を経て、うつむきながらこう話し始めた。
「実は去年の今頃、芸能界引退を考えていたんです。やっくんが芸能界入りのチャンスを与えてくれたことを支えに今まで頑張って活動を続けていましたが、年齢とともに仕事が手詰まりになってしまって……。僕以外の他のメンバーは全員表舞台から離れ、別の仕事についていますし、自分も夢を諦めよう。そう思っていました。特に2019年に甲状腺がんを患ってから、声が出なくなったこともありましたし、コロナの影響もあってステージに立てなくなってしまったんですよね」