かつてのバンド活動がきっかけで女装に繫がった(写真提供/Taiga)
「女装研究家」として活動
しかし、そんなTaiGaの運命を変えたのは、やっくんと組んでいたバンド時代に培った「女装」だった。
「実は僕、やっくんとバンドを組む前は、女装をしたことがなかったんです。でも、周りから『メイクがうまくなったね』とか、『女の子にしか見えない、可愛すぎる』と褒めてもらえるようになりまして。2020年から『女装研究家』としてYouTubeチャンネルを始め、メイクやファッションの動画を出していたんです。1年ほど前から女装姿でのライブ配信に切り替えて、曜日と時間を決めて週2~3回定期的に配信をしていたところ、徐々に登録者数が増えています。
先月、『同一人物に見えない画像を貼れ』というハッシュタグをつけて、18歳の頃に建設現場で働いていた頃の筋肉もりもりな自分の写真と、現在の女装姿の写真を並べてXに投稿したことも、僕にとっては大きな転機になりました。それがニュースに取り上げられたことでXのフォロワーとYouTubeの登録者数、あわせて1万人以上増えて、改めてネットの反響の大きさを感じました」
取材が終わって外に出ると、いつのまにか雨はすっかり上がっていた。TaiGaさんは、まるで誰かに語りかけるように空を見上げてこう言った。
「『いつか武道館で歌いたい』と言ってくれたやっくんの夢を叶えたい。そのために、一歩ずつ前に進んでいきます」
(了)
◆取材・文/佐藤ちひろ(ライター)