嬌声があがり、拍手が沸き起こる
50代女性は、井戸敏三・元兵庫県知事時代の悪弊が斎藤バッシングの背景にあると憤慨する。
「井戸チルドレンのからくりが透けて見える。テレビは酷くて涙が出る。権力争いのなか、斎藤さんは一人で頑張ってはるから応援したい」
街頭に立つ斎藤氏に冷ややかな目線を送り通り過ぎる人もいる一方、斎藤氏のもとに集まった人たちにはいくつかの傾向を見ることができた。
まず、「マスゴミ」という言葉に象徴されるメディア不信だ。斎藤氏の辻立ちにはNHKをはじめテレビ・新聞記者が集まっていたが、「偏向報道を止めてください」「顔相に出ているよ。マスゴミが!」といった言葉を投げつけられていた。
もう一つは、「県立大学無償化」などの斎藤氏の“改革”を支持する傾向だ。
「気になって調べたら、子ども教育に力を入れている。身近な問題に取り組んでくれているので支持したい」(50代女性)
こうしたSNSで情報収集している層が聴衆の大多数であることも、特徴の一つだろう。
メディアとネットの分断を示すかのように、SNSには「#さいとう元知事がんばれ」などと支援する投稿が増えた。失職を選択したことを報告した斎藤氏のⅩのポスト(9月26日)には2800万以上のインプレッション(表示回数)がついた。兵庫県民が約540万人であるから、まさに異常値である。
地元県議はこう語る。
「SNSの過熱が、街角でも目に見えるようになった。都知事選の時の“石丸現象”のようなことが起こるのではないか、と警戒する声が議員からも上がっています」