国内

《11月1日改正施行による罰則強化》「ヘルメットとかかっこ悪い」と違法モペットユーザーが爆走中 警視庁は「憧れるのをやめましょう」と呼びかけ

ペダル付き電動バイク「モペット」の取り締まりをする警察官。11月1日午後、東京都新宿区(時事通信フォト)

ペダル付き電動バイク「モペット」の取り締まりをする警察官。11月1日午後、東京都新宿区(時事通信フォト)

 ちょっとした距離の移動に重宝されるだけでなく、すっきりとした見た目がオシャレだとして人気を集めているモペット。パッと見ただけでは自転車との区別がつけづらい外観であることを悪用して、ヘルメットをかぶらずナンバープレートもつけないまま走り回るユーザーの増加が社会問題となっている。人々の生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、改正道路交通法の施行をきっかけに取り締まりが強化されたモペットをめぐる混乱をレポートする。

 * * *
「そんなのいつ決まったの? 知らなかったんだから勘弁してよ」

 都内繁華街、派手な髪型の若者が電動モペット(本来は「モペッド」だが国土交通省および警視庁の一部表記に準じる)に跨ったまま警察官に囲まれている。「知らなかった」に対して警察官の「そもそも違反なの」といったやり取りが続く。彼の電動モペットにナンバーはついていない。ウインカーやバックミラーといった保安部品もない。そもそも原付なのにヘルメットすら被っていない。

 それにしても、あれだけの警察発表と広報活動、そして報道があったというのに「知らなかった」である。しかし実際に聞いてみると「いつ決まったの?」は電動モペットに限らず青切符の対象となった自転車の「ながらスマホ」や逆走、信号無視の方々にはとても多いことを実感する。

 しばらく歩くとまた警察がモペットを呼び止めている。こちらの若い男性は素直に応じているが、やはりナンバーも無ければ保安部品もない。そしてノーヘルだ。電動モペットの存在を知らなければ、こうしたモビリティに詳しくなければただの電動アシスト自転車か、と思う人もあるかもしれない。

 しかしれっきとしたバイク、免許もナンバープレートも必要な原付である。

自転車のフリ

 11月1日からの改正道路交通法施行に伴う一斉取り締まり、スマホの「ながら運転」とともに警察が目を光らせていたのが改正法のやり玉となった違法な状態の電動「モペット」(一部では「ペダル付原動機付自転車」表記)だった。

 電動モペットとは漕ぐためのペダルを備えた「電動バイク」である。原動機(エンジン)があるため、あるときはバイク、あるときは自転車として使うことが装備上はできる。

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン