国際情報
なぜ日本人はトランプを見誤ってしまうのか

【佐藤優氏が読み解く大統領選と日米関係】“神に選ばれた男”として勝利したトランプ氏とプロテスタントの石破茂首相に相通じる「歴史的使命がある」という内在的論理

「トランプ氏は石破茂首相と相通じるものがある」と分析する佐藤優氏

「トランプ氏には石破茂首相と相通じるものがある」と分析する佐藤優氏

 2024年米大統領選──“大接戦”という誤報を流し続けた新聞・テレビの報道では、トランプが圧勝した背景を正しく理解できない。“トランプ氏圧勝”見越していた作家・元外務省主任分析官の佐藤優氏が、今後の日米関係や国際情勢を読み解く。

 * * *
 意外に聞こえるかもしれないが、トランプ氏は大胆不敵に見えて宗教的な部分を大切にしている。

 共和党の大統領候補の座を確実にした今年3月末、彼は『HOLY BIBLE:GOD BLESS THE USA』(『聖書:神がアメリカ合衆国を祝福する』)と題する本を販売した。旧約聖書や新約聖書に加え米国憲法、独立宣言などを収録した“トランプ版聖書”であり、自らの権力の源泉がキリスト教にあることをアメリカ国民にアピールしたものだ。

 大統領選の流れを大きく変えた、7月にペンシルベニアで起きた銃撃事件の宗教的な影響も無視できない。

 演説中に放たれた銃弾が右耳を掠めながらも一命を取り留めたトランプ氏は、「自分が死ななかったのは神からの使命があるからだ」と確信したはずだ。そして、アメリカと自分たちの将来に不安を抱く一般大衆は、流血しながらも拳を突き上げて叫ぶ彼の姿に“神に選ばれた男”を見た。この時点で大統領選の結果はほぼ決まっていた。

 バイデン氏の撤退後、上流階級や官僚、セレブなどのエスタブリッシュメントがハリス氏を後押し、一時は“ハリス旋風”と持て囃された。しかし、彼女はもともと、「核のボタンを任せられない」と酷評されて大統領候補争いに参加できなかった政治家だ。“神に選ばれた男”には敵わない。ハリス旋風が“虚構”であることは、日本の内調や官邸幹部も見抜いていたことを付け加えておく。

 キリスト教は今後の日米関係を占うキーワードでもある。

 あまり前面に出さないが、石破茂氏はプロテスタントのキリスト教徒だ。版元からの直販のみの『石破茂語録 主よ、用いてください』(あだむ書房)を紐解くと、彼のバックグラウンドに強力なキリスト教信仰があることがわかる。このことが彼の政治姿勢にも影響を与えている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《デートはカーシェアで》“セレブキャラ”「WEST.」中間淳太と林祐衣の〈庶民派ゴルフデート〉の一部始終「コンビニでアイスコーヒー」
NEWSポストセブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン
Aさんは和久井被告の他にも1億円以上の返金を求められていたと弁護側が証言
【驚愕のLINE文面】「結婚するっていうのは?」「うるせぇ、脳内下半身野郎」キャバ嬢に1600万円を貢いだ和久井被告(52)と25歳被害女性が交わしていた“とんでもない暴言”【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《独特すぎるゴルフスイング写真》“愛すべきNo.1運動音痴”WEST.中間淳太のスイングに“ジャンボリお姉さん”林祐衣が思わず笑顔でスパルタ指導
NEWSポストセブン
食欲が落ちる夏にぴったり! キウイは“身近なスーパーフルーツ・キウイ”
《食欲が落ちる夏対策2025》“身近なスーパーフルーツ”キウイで「栄養」と「おいしさ」を気軽に足し算!【お手軽夏レシピも】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
「どうぞ!あなた嘘つきですね」法廷に響いた和久井被告(45)の“ブチギレ罵声”…「同じ目にあわせたい」メッタ刺しにされた25歳被害女性の“元夫”の言葉に示した「まさかの反応」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
遠野なぎこと愛猫の愁くん(インスタグラムより)
《寝室はリビングの奥に…》遠野なぎこが明かしていた「ソファでしか寝られない」「愛猫のためにカーテンを開ける生活」…関係者が明かした救急隊突入時の“愁くんの様子”
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)が犯行の理由としている”メッセージの内容”とはどんなものだったのか──
「『包丁持ってこい、ぶっ殺してやる!』と…」山下市郎容疑者が見せたガールズバー店員・伊藤凛さんへの”激しい憤り“と、“バー出禁事件”「キレて暴れて女の子に暴言」【浜松市2人刺殺】
NEWSポストセブン
目を合わせてラブラブな様子を見せる2人
《おへそが見える私服でデート》元ジャンボリお姉さん・林祐衣がWEST.中間淳太とのデートで見せた「腹筋バキバキスタイル」と、明かしていた「あたたかな家庭への憧れ」
NEWSポストセブン
先場所は東小結で6勝9敗と負け越した高安(時事通信フォト)
先場所6勝9敗の高安は「異例の小結残留」、優勝争いに絡んだ安青錦は「前頭筆頭どまり」…7月場所の“謎すぎる番付”を読み解く
週刊ポスト
アパートで”要注意人物”扱いだった山下市郎容疑者(41)。男が起こした”暴力沙汰”とは──
《オラオラB系服にビッシリ入れ墨 》「『オマエが避けろよ!』と首根っこを…」“トラブルメーカー”だった山下市郎容疑者が起こした“暴力トラブル”【浜松市ガールズバー店員刺殺事件】
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《熱愛ツーショット》WEST.中間淳太(37)に“激バズダンスお姉さん”が向けた“恋するさわやか笑顔”「ほぼ同棲状態でもファンを気遣い時間差デート」
NEWSポストセブン