国際情報
なぜ日本人はトランプを見誤ってしまうのか

【トランプ政権での日米関係を高橋洋一氏が分析】「短命内閣に終わると見透かされればトランプ氏は石破首相に会わないだろう」 交渉の鍵は「麻生・高市」ライン

石破首相がトランプ氏の信頼を勝ち取るには難しいかもしれない、と分析する高橋洋一氏

石破首相がトランプ氏の信頼を勝ち取るには難しいかもしれない、と分析する高橋洋一氏(時事通信フォト)

 大接戦と予測されたアメリカ大統領選は、蓋を開けてみればトランプ氏が圧勝。メディアの事前予測は“誤報”だった。そんななか、元内閣参事官で嘉悦大学教授の高橋洋一氏はトランプ氏の圧勝を予測していた人物の一人。今後の日米関係の行方について高橋氏が解説する。

 * * *
「トランプ・トレード」(トランプ氏勝利で影響を受ける株式などを売買する取引)の影響もあって為替は当面、円安ドル高に動くものの、遠からずドル安(円高)に転じるだろう。

「すべての輸入品に関税をかける」と掲げたトランプ氏の公約が意識されることにより国内物価が上昇し、インフレを再び加速させる。

 しかし、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ氏は国内産業の国際競争力を高める自国通貨安政策を志向する。ドル高(円安)を抑え込もうと、あらゆる手を打つはずだ。自国通貨安を志向する金融政策は、「近隣窮乏化政策」とも呼ばれる。通常、ドル安(円高)ならアメリカの輸出は増加する効果があるが、相手国の日本にとっては国際競争力が低下して輸出が減少するリスクが高まる。

 トランプ氏はすべての輸入品に一律10~20%の追加関税をかけるほか、中国からの輸入品には60%超の関税をかけると掲げている。実際に政権が始動すれば、まずは中国を「為替操作国」に指定し、追加関税などの制裁措置を検討することになるはずだ。

 日本も「為替操作国」と名指しされるリスクはある。在日米軍の駐留経費を引き上げる議論が蒸し返される可能性もある。トップ同士の交渉次第で条件は良くも悪くもなる。

 2016年の大統領選でトランプ氏が勝利した直後、世界の首脳に先駆けてニューヨークのトランプタワーを訪ねた安倍晋三・首相(当時)の行動が参考になる。このNY訪問で安倍氏はピコ太郎のPPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)を踊った孫娘の動画の話題でトランプ氏と娘・イバンカ氏の心を掴み、首脳会談では一緒にゴルフを楽しむことで信頼関係を深めた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
二階堂ふみとメイプル超合金・カズレーザーが結婚
二階堂ふみ&カズレーザーは“推し婚”ではなく“押し婚”、山田美保子さんが分析 沖縄県出身女性芸能人との共通点も
女性セブン
山下美夢有(左)の弟・勝将は昨年の男子プロテストを通過
《山下美夢有が全英女子オープンで初優勝》弟・勝将は男子ゴルフ界のホープで “姉以上”の期待度 「身長162cmと小柄だが海外勢にもパワー負けしていない」の評価
週刊ポスト
2013年に音楽ユニット「girl next door」の千紗と結婚した結婚した北島康介
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
京都成章打線を相手にノーヒットノーランを達成した横浜・松坂大輔
【1998年夏の甲子園決勝】横浜・松坂大輔と投げ合った京都成章・古岡基紀 全試合完投の偉業でも「松坂は同じ星に生まれた投手とは思えなかった」
週刊ポスト
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志と浜田雅功
《松本人志が11月復帰へ》「ダウンタウンチャンネル(仮称)」配信日が決定 “今春スタート予定”が大幅に遅れた事情
NEWSポストセブン
“新庄采配”には戦略的な狙いがあるという
【実は頭脳派だった】日本ハム・新庄監督、日本球界の常識を覆す“完投主義”の戦略的な狙い 休ませながらの起用で今季は長期離脱者ゼロの実績も
週刊ポスト
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
「なぜ熊を殺した」「行くのが間違い」役場に抗議100件…地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める《羅臼岳ヒグマ死亡事故》
NEWSポストセブン