国際情報

《朝鮮半島が戦火の危機だった》拘束された韓国・尹錫悦大統領 暴かれた「政敵射殺計画」は“北朝鮮による犯行”をでっち上げる構想

窮地の尹錫悦大統領(時事通信フォト)

窮地の尹錫悦大統領(時事通信フォト)

 韓国国内に大混乱をもたらした非常戒厳をめぐり、尹錫悦大統領が1月15日に内乱罪の容疑で拘束・逮捕された。

「一度目の拘束令状執行時(1月3日)は大統領警護庁の隊員が公邸前で“人間の盾”を作って捜査員を阻みましたが、2度目の執行は尹氏側が応じた。『流血の事態を防ぐため』とコメントを出しました。

 ただし、尹氏は『不当逮捕だ』として徹底抗戦の構えを見せています。韓国の歴史上、現職大統領の逮捕は初めてのこと。内乱罪の最高刑は死刑となります」(在韓ジャーナリスト)

 この間、韓国メディアでは非常戒厳に関する驚きの疑惑が続々と報じられている。

「非常戒厳の発令に関与したとして内乱容疑で逮捕された元軍司令官のノ・サンウォン氏の手帳が押収され、そこには戒厳下で尹政権の政敵を射殺する計画が書かれていました。北朝鮮との海上の軍事境界線付近に連れて行き、射殺したうえで北朝鮮による犯行にでっち上げる構想だったようです」(同前)

 韓国情勢に精通するコリア・レポート編集長の辺真一氏もこう話す。

「ノ・サンウォン氏は戒厳令を主導して逮捕された金竜顕元国防相の側近です。この金氏は筋金入りの対北強硬派で知られており、北朝鮮国内の爆撃計画を立てていたとされる男です。

 まず平壌上空に無人機を飛ばし、北朝鮮の反撃を待つ。それを口実に非常戒厳を発令し、北朝鮮と局地戦を展開する青写真を描いていたようです。尹氏もこの計画に賛同したとされています」

 尹政権は実際に平壌上空に3度も無人機を飛ばしたが、金正恩氏は挑発に乗らず、警告コメントを出すに留まった。

「そこで尹政権は野党を従北の反国家勢力と位置づけて非常戒厳の発令に踏み切りました。もし北朝鮮が反撃していれば、南北が全面戦争になっていた可能性が高い。半島で有事があれば在日米軍も動く。日本の米軍基地も北朝鮮のターゲットになったでしょう」(辺氏)

 未曾有の危機がすぐそこにあった。

※週刊ポスト2025年1月31日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見なえい恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン