芸能

《フジテレビ問題が波及》ACジャパンCM連発に募る不満、回数だけじゃないモヤモヤの理由

ゆうちゃみが出演するAC JAPANのCM(公式HPより)

ゆうちゃみが出演するAC JAPANのCM(公式HPより)

 中居正広の女性トラブルへの対応から“CMボイコット”まで広がったフジテレビに関する問題。フジの番組では依然として、ACジャパンのCMが流れ続けている。視聴者からは「回数」だけではない不満の声が出ている。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんがその背景について解説する。

 * * *
 フジテレビがCMを見合わせている企業に広告料金を請求しない方針を発表したことで自社CMの割合が増えた分、少し減ったものの、今なおACジャパンのCMが大量に放送される状態が続いています。

 ネット上の反応を見ていて気になるのは、ACジャパンは公益社団法人であり、公共マナー、環境問題、多様性、ネットモラル、災害などの社会的なテーマのCMばかりであるにもかかわらず、放送回数の多さからか、「しつこい」「不快」「流さないでほしい」などの批判があがっていること。

 社会的意義を考えると、そのような批判は「大人げないのではないか」とも感じますが、不満の理由を突き詰めていくと、単に「回数が多いから」だけではないモヤモヤの背景が浮かび上がってきます。

放送中の「ACジャパン」CMは12本

 現在、フジテレビで流されているACジャパンの主なCMは以下の12本。

1)“決めつけ刑事”の嶋田久作さんがある男性を犯人として決めつけて追い詰めるが、けっきょく冤罪であり、その危うさを問いかけるCM。

2)ライブ中の近藤真彦さんが観客に何度も聞き返すシーンが流れ、「聞き返し、聞き間違いが多くなったら耳鼻科での聴力検査をおすすめします」と語りかける一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のCM。

3)アニメ映像に合せて「アイフレイルは目のサインだよ」という『かえるの合唱』の替え歌が流れ、 「気になったら眼科に相談を」と語りかける公益社団法人 日本眼科医会のCM。

4)なかやまきんに君が「なかやま検脈んです」と語って心房細動の早期発見を促す公益財団法人 日本心臓財団のCM。

5)ゆうちゃみさんが“災害時の持ち出しバッグ”の準備をうながすCM。

6)母親が勉強中の子どもに「今は勉強だけしていればいいの。全部あなたのためだから」と語りかけるシーンが流れ、「子どもの精神的幸福度・先進38か国中37位」が表示。「子どもの心を尊重していますか?」と問いかけるCM。

7)松重豊さんが“こども食堂”を訪れ、「みんなの居場所なんだね」と語る認定NPO法人 全国こども食堂支援センター むすびえのCM。

8)アニメ映像が流れ、「家庭の経済事情によって未来を諦めるしかない子どもがいます。学習支援で子どもが夢を描ける社会へ」と語りかける認定NPOキッズドアのCM。

9)アニメ映像が流れ、「スタートラインはみんな同じだと思ってた。頑張ってるのに一生追いつけないのかな。私は未来を選べないんですか」と語りかけ、無料学習会やオンライン学習会などで支援する認定NPOキッズドアのCM。

10)映画『すずめの戸締まり』のアニメ映像が流れ、「親を失った子どもたちを応援したい。がんばれ全国のすずめたち」と語りかける、あしなが育英会のCM。

11)有村架純さんが「女の子だから学校へ通わせてもらえなかった。救われた人は救う人になる」と語りかける公益財団法人 プラン・インターナショナル・ジャパンのCM。

12)江口洋介さんが「東南アジアで子どもたちを救う。その経験は日本の子どもたちを救うことにもつながっている」と語りかける特定非営利活動法人 ジャパンハートのCM。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン