1974年デビュー曲『今夜かしら明日かしら』のプロモーションに臨むテレサ・テン

1974年デビュー曲『今夜かしら明日かしら』のプロモーションに臨むテレサ・テンさん

故郷を思い出し目頭が…

 元NHKアナウンサーの宮本隆治氏(74)も、『空港』でテレサを知った。

「NHKの新人アナとして帯広放送局に赴任中、ラジオのリクエスト番組を担当しました。1974年、リクエスト曲として初めて『空港』を聴き、なんと儚い歌声なのか、と。

 故郷の北九州から遠く離れて暮らす自分。アナウンサー2年目の不安と希望に満ちた心境を『空港』の歌詞に投影し、レコード室で目頭が熱くなったこともあります」

 当時はアグネス・チャン人気が爆発していた。

「若者中心にアグネス人気が沸騰していたところに、彗星の如く登場したのがテレサ・テンでした。香港出身のアグネスと台湾出身のテレサというアジア出身歌手の対決。実際、私も同年に発売された『空港』とアグネスの『星に願いを』を対比して流しました。驚いたのは、アグネスの明るい曲調を多くの若者リスナーが好んだのに対して、テレサにリクエストを寄せるリスナーは中年男性が多かったことです。大人の心を揺さぶる何かが、テレサの歌声にあると確信しました」(同前)

『空港』はテレサが日本で発売した2曲目。このヒットまでには、紆余曲折があった──後編記事《【テレサ・テンさん没後30年】すべては1974年『空港』の衝撃から始まった レコード会社社長が明かす紛糾した制作会議の裏側、“偽造パスポート事件”の真相》では、テレサの「日本の父」として知られる元トーラスレコード社長・舟木稔氏が『空港』の制作秘話や、テレサの“偽装パスポート事件”の真相について語っている。

後編につづく

※週刊ポスト2025年3月21日号

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