芸能

《一時はお蔵入り説も》渦中のフジテレビが「女性アナ特番」を放送する背景 否定派ばかりではない“アナウンサーのタレント化”と騒動前の現場から出ていた“働きやすくなった”の声

3月17日放送の『ネプリーグ』(フジテレビ系)で女性アナ特番が放送される( 公式HPより)

3月17日放送の『ネプリーグ』(フジテレビ系)で女性アナ特番が放送される( 公式HPより)

 CMスポンサーが一斉撤退する事態になったフジテレビのコンプライアンス問題。第三者委員会による調査結果が3月末にも出るとみられている。そんななかフジテレビが放送予定なのが、「女性アナウンサー」を企画の中心に据えたバラエティー特番。なぜ今あえて放送するのか。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんがその背景について解説する。

* * *

 17日19時から『ネプリーグ』(フジテレビ系)の2時間SPが放送されますが、注目すべきはその内容が「各局出身アナウンサーNo1決定戦2025」であること。

各局出身の女性アナウンサーが集結し、プライドをかけて「常識ニュースワードクイズ」「ニュース原稿訂正読みテスト」「タイマンロックオン」「中継リポート対決」「早押し!パーフェクトアンサー」などで競い合うという構成が明かされています。

 その出演者は、元NHKの青山祐子さん、元富山テレビの岡部里香さん、元日本テレビの笹崎里菜さん、元テレビ東京の須黒清華さん、元フジテレビの富永美樹さん、元テレビ東京の松丸友紀さん、元テレビ朝日の南美希子さん、元TBSの山本里菜さん、さらに現役としてフジテレビの原田葵さん。各局出身のアナウンサーだけでなく、まだ2年目で元櫻坂46のアイドルだった原田さんをタレントのように起用していることに気づかされます。

 フジテレビに関する一連の騒動は、今月末がメドとされる「第三者委員会の調査結果待ち」の段階。その中には「アナウンサーが接待に駆り出されることが常態化し、何らかの被害を受けていたのではないか」というものもありました。女性アナウンサーをタレントやアイドルのように起用するフジテレビの姿勢にも疑問の目が向けられる中、なぜ今あえてこのような企画を放送するのでしょうか。

女性アナのタレント扱いは賛否両論

 もともと今回の企画は1月27日に放送予定であり、騒動が深刻化する前に撮影されたものでした。奇しくも放送予定だった1月27日は同局の約10時間半にわたる記者会見が行われた日。会見は深夜まで生放送され、『ネプリーグ』をはじめゴールデン・プライム帯の番組がすべて放送休止になりました。

 疑惑や調査中の内容を踏まえると「このままお蔵入りか」とも噂されていましたが、このタイミングで放送が決定。その背景には、女子アナブームが起きた1990年代から2000年代ほどではないにしても「今なお一定のニーズがあり、視聴率獲得が期待できる」という背景があることは間違いないでしょう。

 それは『ネプリーグ』の同企画が定期放送されていただけでなく、『草なぎ剛の女子アナスペシャル』『さんまのFNSアナウンサー全国一斉点検』などの流れを組む特番『FNS明石家さんまの推しアナGP』が昨年まで放送されていたことからもうかがえます。

 実際、お蔵入り状態になりかけた2時間SPの放送決定が報じられると、否定的な声が多いと思いきや、「楽しみ」「問題ない」「やっと見られる」などの肯定的な声も目立ちました。とかく批判されがちな“女性アナウンサーのタレント扱い”については、「今回の騒動があっても賛否両論のまま」と言ってもいいのではないでしょうか。

 ジェンダーに対する世間の認識が変わったこともあって、これまでのように「女子アナ」というフレーズを前面に押し出すことは避けるものの、スポンサーの理解が得られることも含め、まだ企画そのものをやめるという必然性はないと判断したのでしょう。ただ、第三者委員会の調査結果によっては、アナウンサーを押し出した企画がほぼ消滅するという可能性もありそうです。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン