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高田文夫氏が首を傾げる文化庁の“芸術選奨” 本年度の受賞者は「私の身近な連中も多いが、何でこの人が今さらとか、この人誰?も多い」

今年の「芸術選奨」は誰だったのか(イラスト/佐野文二郎)

今年の「芸術選奨」は誰だったのか(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は「芸術選奨」について綴る。

 * * *
 毎年3月頃になると、シレッと「芸術選奨」なるものが文化庁から発表される。とり立てて大きな話題になる事もなく新聞の隅で報じられる。今年誰が獲ったかなんて本当の話知らないでしょ。ましてや大臣賞の賞金が昨年から30万円が120万円になったなんて大ニュースも知らないまま生きてるでしょ? お国がやってる事だからなかなか内緒にする事も多いが一体誰がどこを見て選んでいるのか。選ぶ規準が何なのかもよく分からない。

 私なんざこの業界55年もいるがノミネートされた事も審査員のオファーもどっちも来たことがない。噂にきいたのは数年前「タカダも審査員に入れようか」という話もあったが「入ってくるとうるさいし、オレ達より実績が上だから何も言えなくなっちゃう」でまとまったらしい。資料を読むと対象は「作品ではなく人が受賞の対象である」と書いてある。芸術選奨に恥じないよう私は日大の芸術学部の出身だし、大した作品は残していないが「人」としてなら自信も人望もある。

 俗に今、東京の大衆芸術の世界では「ウラの3大トロフィー」というのがある。選奨のようにファジーではなく選ぶ人がハッキリしているのが心地良い。「みうらじゅん賞」(私も受賞経験あり。みうらじゅん只一人が決めているのが潔い)。「ビートたけし杯」(毎年2月頃東洋館にて開催。審査員はたけし、私、ナイツで文句のないところ)。私の『ラジオビバリー昼ズ』から前年気に入った芸能人を私が勝手に選ぶ「ビバデミー賞」。先日授与したのは阿部サダヲとロバート秋山。秋山を選ぶところなぞ私の選球眼の良さであり皆から支持される所以である。

 で、肝心の本年度の受賞者であるが、実は私の身近な連中も多いが、何でこの人が今さらとか、この人誰? なんてのも実は多い(私の勉強不足かもしれませんが)。

 文句なしなのが「メディア芸術」部門の漫画家青山剛昌『名探偵コナン』である。私の孫もコナンには夢中。この方も日大芸術ときき親しみを覚えた。もうとっくに獲っててよかった。

「放送」部門で阿部サダヲ。『不適切にもほどがある!』。もう散々あらゆる賞をとってきちゃったものな。私が表彰した時も「頼むからもういらないです」と言っていた。「大衆芸能」部門で立川談春、柳家喬太郎。一杯呑ませてくれたら許すわ。「演劇」新人賞で江口のりこ、「映画」新人賞で河合優実は嬉しい。

 そして何より「大衆芸能」部門の新人賞で活動写真弁士・坂本頼光に日が当たった事がとにかく喜ばしい。あとの人は分からん。

※週刊ポスト2025年3月28日・4月4日号

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