真剣な眼差しで語るペナルティ・ワッキー(撮影・山口京和)

真剣な眼差しで語るペナルティ・ワッキー(撮影・山口京和)

ワッキーが朝礼に……生徒・社員が「困惑」から「傾聴」に変わる瞬間

――どんな話をするんですか。

ワッキー お笑いはほぼなく、この芝居への思いをぶつける感じです。聞いている人たちも、いつもの僕と違うので、最初は「えっ? えっ?」みたいな感じなんですけど、熱意が伝わるのか、最後の方はぎゅーっとこっちの目を見てくれている感じになりますね。やっぱり熱ければ熱いほど思いって伝わるんだなと思いました。こっちが100度なら、伝わるのは90度くらい。その人が別の人に伝えるとしたら80度ぐらいだとして、80度でも十分、熱いじゃないですか。そうやって集客につながっていくんだと思います。

――つながりましたか。

ワッキー 稽古が始まる前に、もうチケットが完売しちゃったんです。そんなこと、16年やってきて初めてだったのでスタッフも慌てちゃって。

――やはりワッキーさんの知名度と熱意がすごかったということなんですね。

ワッキー 僕というより、会社(吉本興業)ががっつり入ってくれて一緒にPRだとかしてくれたお陰ですよ。これまではキャストにチケット売ってきてくれよとか、原始的な方法でしか営業をしてこなかったんです。企業周りとかも多少はやっていましたけど、そこまで力を入れていたわけではないので。

――とはいえ、プロデューサー業は想像以上に大変そうですね。

ワッキー 『Mother』のためだと思うと、楽しさと使命感のほうが勝つんですよ。ただ、1つ、僕は朝が弱いんで。企業の朝礼は8時半くらいから、まだ喉も開いてない状態でプレゼンをしなきゃならない。それはなかなか大変なんですけど。企業や学校回りは地道なところもありますけど、社長や校長先生が観に来てくれれば来年、スポンサーについてくれるかもしれないし、あるいは芸術鑑賞会に採用してくれるかもしれない。観てくれさえすればこっちのものなんで。作品自体には自信があるんですよ。登場人物はすべて史実に基づいていますし。

特攻隊に関する自身の衝撃を語った後編へ続く

■取材・文/中村計(ノンフィクションライター)

■3月22日に上演された舞台『Mother ~特攻の母 鳥濱トメ物語~』2公演のオンラインチケット(3000円+手数料135円)は3月29日12時まで販売

関連記事

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン