国内

「若年性アルツハイマー型認知症」を患った妻との日常…36句を詠んだ句集が話題に 77歳の俳人が語った「だんだんとできないことが増えていく日々」

現在入居する認知症グループホームにて

現在入居する認知症グループホームにて

「ここはどこ、あなたはだあれ」そんな言葉を口にする、家族との日常──。認知症をテーマにした有吉佐和子さんによる小説『恍惚の人』がベストセラーになったのは、50年以上前のことだ。そこから日本は高齢化の一途をたどり、認知症患者は400万人を超えた。2060年にはその人数は645万人になると推計されている。

 自身が認知症を患うこと、あるいは家族が認知症になることは誰の身に起きてもおかしくない。だが、実際にそういう状況が訪れてみないと実感が湧かないというのも事実だろう。大切な家族に突然症状が現れ、戸惑う。そんなとき、同じ経験を持つ人の言葉が救いになることもある。

 いま、認知症に関わる人たちの間で話題になっている句集がある。タイトルは『大花野』。市井の俳人・小山正見さんの句を集めたものだ。若年性アルツハイマー型認知症を患った妻、邦子さんとの生活を綴った36句が掲載されている。名前の知られた俳人ではないが、同句集は重版を重ね、多くの人に読まれている。その一句一句が、手に取った者の心を動かすのだろう。【前後編の前編】

「言われたとおりにパックご飯を買ってくると、『あら、どうしてそんなものを買ってきたの?』と、妻の邦子は不思議そうな顔をしました。今から12年ほど前、彼女は60代のなかばでした」

 作者の小山正見さん(77)は、ぽつりぽつりと語った。

関連記事

トピックス

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン