子供目線ならではのメッセージも(『ワタシってサバサバしてるから 最強ちび浜伝説』より)

子供目線ならではのメッセージも。(『ワタシってサバサバしてるから 最強ちび浜伝説』より)

「子供たちが、毎日を楽しくたくましく生き抜いてくれたら」

 現代日本の映し鏡とも言えるダークヒロインは、連載開始時に勤務していた出版社を飛び出し、イケイケなベンチャー企業で働いたり、問題児とパワハラ教師だらけの進学校で規格外の教師として生徒を導いたりと活躍の舞台を次々に変えて行く。現在は過疎村に移住し、村議員になる姿が描かれている。

 多くの人が本音を飲み込んで周りに合わせてしまうような状況でも、“自サバ女”は自分を貫く。例えば移住した村の婦人会でも、『仕事をセーブして家事育児を優先すべし』『都会に出ようとせず、置かれた場所で咲いたほうがいい』と話す婦人会長の言葉にうなずき、従おうとする村の女性たちをよそに『居心地の悪い場所からは一刻も早く逃げるべし』と宣言し、周囲をどよめかせる。

「最近、Xで“さす九”という言葉がトレンド入りしていましたが、どこで生きるか、どんな環境で生活するかによって女性を取り巻く状況は大きく変わります。

 網浜さんは、自分が心地よい場所を探して遊牧民のように動いて行く。“置かれた場所で咲きなさい”とは正反対の生き方ですが、モヤモヤしたり、生きづらい場所であれば彼女のように逃げて他に移ることを考えてもいい、今いる世界が全てじゃない、というメッセージも込めています」

 3月31日には、網浜奈美の小学生時代を描いた『ワタシってサバサバしてるから 最強チビ浜伝説』の配信が「ちゃおプラス」にて開始された。空気を読まず、誰にも媚びずに自分の快適さを最優先する“網浜スタイル”は小学生編でも健在だ。

「スマホの普及率が上がったり、中学受験が当たり前になったり……。格差も見えやすいし、SNSなどを使っていじめも巧妙になっていて、子供をとりまく環境は昔と大きく変わっている。いまの小学生って、すごく生きるのが大変だと思うんです。与えられる情報は多いけれど、大人の力を借りないと電車に乗って遠くに行くこともできないし、つきあう友達を選ぶことも難しい。

 だからこそ、“自分ルール”で常識をぶち破る小学生の網浜さんを見て、“学校のクラスの外にも世界はあるんだ”“子供だけでどうにもならない時は、使える大人を見極めてどんどん利用したほうがいいんだ”と子供たちが思って、毎日を楽しくたくましく生き抜いてくれたら、うれしいですね」

【プロフィール】
とらふぐ/漫画家・漫画原作者。NHKでドラマ化した『ワタシってサバサバしてるから』(DPNブックス)をはじめとして、何でも他人のせいにする“他責女”を描いた『だってワタシは悪くない』(集英社)、絶望から成功を目指す地下アイドルが主人公の『戦略結婚~華麗なるクズな人々~』(白泉社)など連載多数。女性セブンで連載中の『縁切りエマ』は、3月28日にコミックス第1巻が発売された。最新作はちゃおプラスで配信中の『ワタシってサバサバしてるから 最強チビ浜伝説』

『ワタシってサバサバしてるから 最強チビ浜伝説』

『ワタシってサバサバしてるから 最強ちび浜伝説』(c)とらふぐ・江口心/小学館

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