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「予算は潤沢、テレビ局員は恵まれている?」TBSドラマプロデューサー佐井大紀が考える「テレビ局の優位性」【連載・てれびのスキマ「テレビの冒険者たち」】

TBSプロデューサーの佐井大紀

TBSプロデューサーの佐井大紀

 TBS 収蔵の貴重なフィルムをデジタル修復して劇場公開する「TBS レトロスペクティブ映画祭」が5月2日から開催される。第1回の寺山修司特集に続く第2回は実相寺昭雄が特集される。近年は配信プラットフォームの台頭でテレビマンの独立が後を絶たない。実相寺昭雄も当時TBSの社員だったものの、1970年に退社をしている。

 映画祭をプロデュースした佐井大紀は、テレビドラマ部に所属しながらも、ドキュメンタリー映画も手がけるという異色の経歴を持つ。そんな佐井は実相寺昭雄にテレビ局社員という身分を捨てた理由を尋ねたいという。

 聞き手は、『1989年のテレビっ子』『「深夜」の美学』などの著書があるてれびのスキマ氏。テレビ番組の制作者にインタビューを行なうシリーズの第11回【前後編の後編。文中一部敬称略】。

 * * *

実相寺昭雄と共感「局員は恵まれている」

「君はなぜ、テレビを去ったのか?」

 実相寺昭雄を特集する「TBSレトロスペクティブ映画祭」の第2回のポスターには、そんなコピーが添えられている。もし、亡くなった実相寺に直接会うことができるのならば、そのことを尋ねてみたいと、この映画祭を企画・プロデュースしたTBSの佐井大紀は言う。

「実相寺は、会社の中にいるときは自分の表現がうまくいかなくて、自分に嘘をついているような息苦しさがあったと思うんです。でも、会社を辞めてからのエッセイを読むと、円谷プロに出向して『怪奇大作戦』などを撮っている時は、予算も潤沢だし、スケジュールも好き勝手取れて、本当に自分がやりたい映像を撮れたと。しかしフリーランスになったら、とにかく仕事を埋めないといけない、部下たちの飯も食わせないといけない、という別の現実があったようです」

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