スポーツ

《新体操フェアリージャパン「ボイコット事件」》パワハラ問われた村田由香里・強化本部長の発言が「二転三転」した経過詳細 体操協会も調査についての説明の表現を変更

日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)

日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)

 新体操日本代表の選手4人が、村田由香里・強化本部長(43)のパワハラ指導などを理由に代表合宿所から姿を消した――そんな衝撃的な「ボイコット事件」がノンフィクション作家・広野真嗣氏の取材により明らかになった。村田氏と日本体操協会による発言や説明の経過を辿ると、「二転三転」する様子が見て取れる。広野氏が続報する。

 * * *
 新体操日本代表チーム(フェアリージャパンPOLA)での村田由香里・強化本部長によるパワハラ問題を本誌・週刊ポスト5月19日発売号で独自取材により報じた。日本体操協会は村田氏を「続投」させて解決を先送りしているが、報道を受けてスポーツ庁の室伏広治長官が「第三者を入れて事実関係を確認してもらいたい」と言及する事態となった。

 村田氏とはどんな人物か。関係者が口を揃えるのは「言うことがコロコロ変わる」という点だ。

 発端は2月26日早朝、4人のレギュラー選手が東京・北区の国立スポーツ科学センター(JISS)から出ていくという、ボイコット行動を起こしたことだ。4人が苦衷を訴えた原因が、村田氏によるパワハラ指導だった。

 経過をより詳細に辿ると、村田氏の“個性”が浮き彫りになる。

 4人の動機がよく分かっていなかった同日午前、残された5人の補欠選手に対して村田氏は「あなたたちにできたことがあったはず。今後どうするか、話し合って」という趣旨の発言で責め立てた(3月12日の所属クラブや保護者向け説明会の音源データより)。

 ところが4人が戻り、原因が村田氏自身だと確定すると態度を変えた、と競技関係者が補う。

「村田さんは、“あなたたちのせいみたいに受け止められたなら申し訳ないけど”と、言い逃れをしたそうです。責任を押し付けては言を翻す。振り回される選手たちが気の毒です」

 翌2月27日、村田氏は選手の所属クラブに自らの非を認める謝罪メールを送り、3月12日の説明会でも頭を下げた。

 だが4月6日、もう一つの指導先・日体大新体操部の保護者会では「大きくパワハラとかはなかった」と問題がなかったかのように報告。説明会での低姿勢は消えていた。

 パワハラがあったかどうかについて日本体操協会に、筆者が第三者に調査を委ねるべきではないかと問うと、5月15日付で「当事者から調査の続行を望まない旨の意思が表示されたことから(中略)当事者(選手)の意に反した調査を続行することは妥当でないものと判断しました」と回答があった。つまりパワハラ認定を放棄したわけで、村田氏の「パワハラはなかった」発言は根拠がない。

関連記事

トピックス

野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
8月20日・神戸市のマンションで女性が刺殺される事件が発生した(右/時事通信フォト)
《神戸市・24歳女性刺殺》「エレベーターの前に血溜まり、女性の靴が片方だけ…」オートロックを突破し数分で逃走、片山恵さん(24)を襲った悲劇の“緊迫の一部始終”
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
決勝の相手は智弁和歌山。奇しくも当時のキャプテンは中谷仁で、現在、母校の監督をしている点でも両者は共通する
1997年夏の甲子園で820球を投げた平安・川口知哉 プロ入り後の不調について「あの夏の代償はまったくなかった。自分に実力がなかっただけ」
週刊ポスト
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
【観光客が熊に餌を…】羅臼岳クマ事故でべテランハンターが指摘する“過酷すぎる駆除活動”「日当8000円、労災もなし、人のためでも限界」
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン