胴体部分にはラップのようなものが巻き付けられていた(Ministerio de Justicia y Paz/Facebook)
“運び屋”にされる動物たち
麻薬の運び屋として利用されているのはネコや犬だけではない。2022年5月、南米・ペルーでハトが首から大麻入りの袋をぶら下げているのが見つかった。場所はペルー中部ワンカヨにある刑務所の前で、ハトが路上の水たまりの水を飲んでいるところを刑務所職員が保護した。
ハトは大麻約30グラムを首からぶら下げており、刑務所内への麻薬の運搬のためにトレーニングされていた可能性があるという。
ハトは動物の中でも強い帰巣本能を持っており、1000キロ以上離れた場所からでも元の巣に戻ってくることができるとされる。それゆえに、かつては伝書バトとしてハトを飼育し、通信手段に用いられていたわけだが、今では麻薬犯罪組織による動物を悪用した麻薬の運搬が後を絶たないのが現状だ。
世界各国で麻薬の運搬は重罪として裁かれる。動物にその身代わりをさせる、文字通り人間の身勝手な犯行に、世界中から非難が集まっている。