FRUITS ZIPPERと踊る大森元貴(番組公式Xより)
TBSとの良好な関係性が継続中
昨年、日本のバンド史上最年少となるスタジアムツアーを見たある民放テレビマンに話を聞くと、「ファン層の若さに驚かされた」「若手の男性バンドでも女性ファンばかりでなく男性ファンも多い」などと驚いていました。さらに、全国ツアーを映画化して全国公開したら、興行収入18.9億円を突破したこと、楽曲配信の再生数がアーティスト1位で5億回超も多いことなども、「若年層がお金を払って見たい、聴きたい」という存在であることを裏付けています。
民放各局は視聴率調査がリニューアルされた2020年春以降、スポンサー受けのいいコア層(主に13~49歳)の個人視聴率獲得に向けた番組制作を進めてきました。しかし、思うように進まず、昨春から昨秋にかけてターゲット層の上限を広げるなどの苦境が続くだけに、ミセスはアーティストという枠を超えた特別な存在。音楽番組は「ミセスがいるのといないのでは結果に大きな差が生じる」という影響力を持つだけに、プライム帯の冠番組でどんな結果が出るのか、業界内で注目を集めるでしょう。
それと今回の冠番組放送で忘れてはいけないのが、ミセスとTBSの良好な関係性。レギュラーの音楽番組『CDTV ライブ!ライブ!』に加えて、大型特番『音楽の日2023』では200人超と「僕のこと」合唱企画を実行、『輝く!日本レコード大賞』の2年連続大賞、さらに2023年にはトーク番組『A-Studio+』、今年1月には『さんま・珠緒のお年玉 あんたの夢をかなえたろかSP』への出演もありました。
ミセスにとってTBSは最もさまざまな番組からのオファーを受け、常にやり取りを続けているテレビ局であり、プライム帯での冠番組に至る必然性が感じられます。
バラエティ出演もジワジワ増加中
また、ある別のテレビマンは「ミセスはまだファン層を広げられる」「この先はわからないが、10年に1組のレベル」という見方をしていました。ライブやストリーミングは若年層中心になるとしても、テレビなど他のメディアでは上の年齢層も集められるとみているのです。彼らの楽曲はもちろん、穏やかで仲のよさそうな姿なども含め、国民的グループになれる可能性があるから深夜帯ではなくプライム帯の冠番組なのでしょう。
このところボーカルの大森元貴さんは『ニノさん』(日本テレビ系)、『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)に連続出演したほか、朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)にも作曲家役で出演予定。ギターの若井滉斗さんとキーボードの藤澤涼架さんも5月29日の『THE突破ファイル』(日本テレビ系)に出演したばかりであり、さらに若井さんは『M:ZINE』(テレビ朝日系)にメインのポジションでレギュラー出演しています。
活動の幅が広がっているのは間違いなく、彼らの出演番組は配信再生数でも期待できることから、「このレベルならプライム帯でもいいのでは」「むしろ若年層のネット利用が多く視聴率獲得が難しい22時台に最高の存在では」と考えるほうが自然なのかもしれません。