ソロ活動をする香取慎吾
5年間で30組のアーティストとコラボ
ソロになってからの香取は、5年間でおよそ30組のアーティストとコラボしてきた。その理由を「楽器もできないし歌詞も率先して書くほうではないので素敵な才能をいっぱいもらって」「『アルバムを引っ提げて』って言うでしょ、ツアーやるとき。だったらステージの構成と演出があったうえで(曲を)作ったら良くないか」「ライブの景色を思い描いて作っていくと、(ライブに来られなかったお客が)配信なりCDなりで聴いてくれたときも同じような感覚を味わえる音楽になる」(『SONGS』より)。
アーティストとのコラボでは、あの中森明菜とレコーディングスタジオで向かい合わせになって歌った『TATOO』の映像が大きな話題になった。香取からオファーを受けた際、「香取くんに頼まれて断るものは何もない。ずっと応援していました。見ていました」と快諾したという明菜。彼女もまた体調面を始め、本当に色々なことを乗り越え、再び表舞台に戻ってきたが、その活動にさらに彩りを加えたのが香取だったと言って過言ではない。
SMAP時代からライブの構成や選曲を担当していた香取は、ソロになっても、ステージをイメージしながらアルバム制作をしているのである。「『TATOO』を一緒に歌ってもらえないか」と明菜に声をかけ、実現させたのも、シンガーというだけでなく、プロデューサーとしての香取ならではの手腕だったと言える。
果たして、東京公演の終盤には、香取が約10年前から言っている“完璧にビジネスとしてアイドルをこなす男”=「パーフェクトビジネスアイドル」の頭文字の「PBI」をファンの皆さんとコール&レスポンスする場面も見られた。この言葉を使い始めた当初は「なんてこと言うの?」「さみしい」などと悲鳴のようなリアクションがあったというが、今は完璧なアイドルとして行動し続ける香取をリスペクトし、愛し続けるファンの皆さんがいる。
改めて周りの支えや、背中を押し続けてくれている人たちが「見えてきた」と言う香取。ライブ中、何度、「本当に幸せです」と口にしたことだろう。そんな香取に“幸せ”をもらったファンの皆さんも、香取の“幸せ”がずっと続くように応援し続けている。
パーフェクトビジネスアイドル・香取慎吾は、これからもファンの皆さんと共に歩み続ける。
◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ+』(メ~テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。