麻生太郎氏(時事通信フォト)
石破─麻生─岸田のキングメーカー争いが起きるという指摘だ。
その時に、進次郎氏が「抵抗勢力をぶっ壊す」と掲げれば、ポスト石破の総裁選で進次郎劇場の第二幕が展開される可能性がある。野党の存在は霞むだろう。木下氏はこう語る。
「これまでは自民党は参院選で大敗するとの見方が強かった。だが、コメ問題で進次郎人気が高まっており、自民党調査では参院選も大敗はしないという数字が出ている。国民民主党が失速しているのも自民党にはプラス。
ただし、安く売却できる備蓄米には限りがあるから、進次郎人気がいつまで続くかわからない。その状況を踏まえれば、石破氏や森山幹事長ら主流派が人気があるうちに進次郎氏を担いで衆参ダブル選挙に持ち込むウルトラCがあり得るかもしれません」
実際、党内でも「支持率が上昇局面で参院選を迎える以上、勝負をかけるほかない。昨年の衆院選惨敗で落選中の仲間のためにも、“進次郎人気”を最大限に活用すべき」(中堅議員)といった期待が醸成されている。
実際、石破首相も会期末が迫るなか、「立憲民主党が不信任案を提出した場合は解散の道を選ぶ」と周囲に漏らしているが、「野党への牽制ではなく、進次郎への禅譲込みのシナリオを見据えているのではないか」(別の中堅議員)との見方もある状況だ。
果たして進次郎氏はコメ改革を実行して真に国民生活を救う政治家になるのか、それとも石破政権や財務省に操られる劇場のピエロで終わるのか。
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※週刊ポスト2025年6月20日号