《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ（18）が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線　「サンタさんを信じている年齢なのに」

　高かった……と思います。「本番、スタート！」という声やカチンコの音が、パチンとスイッチが入るサインでした。

──日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したのが5歳。受賞後、周りの反応が変わったな、ということはありませんでしたか？

　受賞時はまだ大阪にいて、“先のことを考えると上京した方がいい”という周りの方々からのアドバイスが多くて、家族も悩んでいたと思います。そうこうしている間にもお仕事をたくさんいただいて、小学校は東京で入学しました。いろいろ環境が変わったり、東京と大阪の二拠点生活になり、完全に上京したのは8歳の時です。

──思い出作りのつもりだったのに、俳優を続けることに異論はありませんでしたか。

　続けるかどうかを考える間もなく……。自分が求められることがあるなら応えたい、という一心でした。