今後は海外へ活動も広げていきたいという
幼い頃は「可愛いね」って言われていたのに、ある時からそれがなくなったりとか、現場でも、それまで和気あいあいとしていたのに、カメラが回ると周りが真剣になる雰囲気とか、小さい頃は、そのギャップに、脳と心がついていかないんですよね。
お芝居で怒られることも、もちろん間違ってはないんですけど、どうしても怖くなってしまうものです。そういったギャップをなるべく感じたくないから、本能的に常に大人の顔色をうかがうのがデフォルトになっているけど、それは子供に求めることじゃないなと今は思います。
──たとえばインティマシー・コーディネーターのように、子役にもそういった配慮があってもいいのかもしれません。
ちゃんと周りの大人たちがケアをしてあげられたらいいですよね。もちろん作品として必要な表現もあることは理解しています。ただ、特に子供が演じる場合、心への影響が大きいような、例えば虐待されたりいじめられたりするシーンについては、本当に慎重な配慮が必要ではないかな、と感じることがあります。
私自身の経験から言っても、そういった記憶は大人になってもふとした瞬間に思い出されることがあるので……。表現の在り方については、これからも色々な議論があっていいと思います。
──今後はどういう活動をしていきたいですか。
海外での仕事がしてみたいです。なかなか一筋縄ではいかないですが、これまで支えてくださった家族やお世話になったたくさんの方々への感謝の気持ちを忘れずに、これからも一つ一つのお仕事に真摯に向き合い、少しずつでも前進していきたいです。そして、いつか私の活動を通して、誰かの気づきになったり、少しでも勇気や希望を与えられるような存在になれたら嬉しいです。
【プロフィール】渡邉このみ(わたなべ・このみ)/2006年7月25日 大阪府出身。2011年映画『八日目の蟬』薫役で映画デビュー、2012年第35回日本アカデミー賞新人俳優賞を最年少受賞。2019年小学校卒業とマレーシア留学を機に芸能界休止。2024年Miss Teen Pan Pacific International 2024 受賞、同年俳優活動復帰。身長155cm。
(了。第1回から読む)