打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平の打撃絶好調が続いている。5月は自己新、球団新となる月間16本に惜しくも届かなかったものの15本(昨年5月は7本)を量産。そして得意の6月に突入した。5月末までにMLBトップの63得点は、年間176得点ペース。べーブルースの177得点に迫るペースだ。
スポーツジャーナリストで、『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2025』編著者の友成那智氏が言う。
「大谷は例年、6月にホームランを量産して波に乗る。6月に15本(2023年)を打ったシーズンもあります。得意の6月を前に5月からホームランを量産しているわけですから、一体どこまで伸ばすことになるのか。今のぺースでは63本に達します。
そうなると気になるのが、8月からとされる『二刀流復活』がどこまで影響するか。個人的には今シーズンは打者に専念してジャッジの62本(2022年)超えを狙って欲しいという気持ちがあります」
投手・大谷の復帰を心待ちにする一方、それが打撃にマイナスにはたらくとの懸念は米メディアでも指摘されている。〈大谷は二刀流に戻った後、そのパワーを維持できるか? エンゼルスでの2021年から2023年までのデータを見れば、期待できないことがわかる〉(米スポーツサイト・ブリーチャーリポート、5月28日付)などと報じられている。前出・友成氏はこう続ける。
「バッターに専念してシーズン終盤までパワーを維持してもらいところ。それというのも、ピッチャーとして一番よかった2022年は、15勝9敗でサイヤング賞候補の4位だったのに対し、ホームランは34本でした。二刀流をやると2割ぐらい成績(パワー)が落ちる印象です。打者に専念した2024年は54本塁打だったのはまだ記憶に新しいところでしょう。
ただ、今シーズンはドジャースのピッチャー陣が故障者だらけで大変なことになっていますから、二刀流復活をするほかないでしょうね。現段階ではポストシーズンのローテーション当確は山本由伸ぐらいしかいない。大谷の投手としての実力は5指に入る。打者としてのパワーは落ちるが、仕方がないという判断になるでしょう。7月半ばのオールスターまでに頑張って40本を打てば、“二刀流復活&ホームラン王”はあるでしょうね」
驚異的な成績を残し続けるからこその悩みというわけだ。
※週刊ポスト2025年6月20日号