芸能

「この道究める」芸人が集うBSでお笑いファン夢のマッチメイク 爆笑問題・太田光が玉袋筋太郎の番組にゲスト出演する姿を見て、高田文夫が思ったこと

爆笑問題・太田光と玉袋筋太郎が珍しく共演(イラスト/佐野文二郎)

爆笑問題・太田光と玉袋筋太郎が珍しく共演(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、爆笑問題の太田光と玉袋筋太郎について。

 * * *
 元祖テレビっ子、ラジオ深夜放送世代の我々団塊人間達で話すと「この節はBSだネ」の声も多い。私も中堅芸人達の、この道だけを究める的な番組をよく見がち。

 先陣を切ったのは玉袋筋太郎の『町中華で飲ろうぜ』だろう。「633(ml)は大人の義務教育」なる名言も残した。ビールの大ビンのことだ。

 東京への愛が色濃くひたすら歩くのがバナナマン日村の『ウォーキングのひむ太郎』。私も知っている路地などが出てきて楽しい。

 立ち喰いそばだけを食べてまわるドランクドラゴン塚地の番組も捨てがたく、カンニング竹山の昼飲み番組のトークが意外に奥深く聞き入ってしまう。高円寺、阿佐谷なんて所は仕事帰りのおやじやら働きに出ない若者達が昼日中から後めたさも無く大らかに飲んでいる。うらやましい。

 そんな中、スタートはつまずいたもののずっとテレビの中央を走って来た爆笑問題の太田光が、数年前より名古屋で『ゴゴスマ』の石井アナと「レバニラ」だか「タラレバ」だかよく覚えられないタイトルの番組を始めた。東京ではまったく見られなかったものが、この度BS-TBSで放送開始。それを祝してコラボ番組、太田が玉袋の「町中華」にゲスト、玉袋が『デララバ』のゲストとコアで古いお笑いファンにとっては夢のマッチメイク。「町中華」に旧友であり盟友であった江頭2:50が出演し、30年ぶりに近い共演に感極まって号泣なんてシーンもあった。この30年の間に「浅草キッド」にも「大川興業」にも色々あった。私は師匠筋にもあたるのでよく知りすぎている感も……。

 さぁそこで真打登場、太田光が妻社長もなく田中もなく、たった一人でアウェイ番組に立ち向かえるのか。「キッド」と「爆笑」も若い頃からバチバチあって“東京漫才の頂上決戦”やら“真のたけしイズムはどっちだ”などあおりにあおられ、当人同士は大したライバル意識はないものの緊張をしいられた。私があおったという説もありますが。

 会えば互いに東京風味の照れで「相方のチビの悪口」やら「関西なんて大嫌いだ」なんて本音全開。さすがに下戸の太田も玉袋と会えて喋れた嬉しさからビールをキューッ。BSでしか見られない男同士のいいシーン。

 きけば太田クンも(クンなど付けられる年じゃない)還暦だとか。彼らが20代の頃からあだ名の「センセー」で呼ばれる私も、もう喜寿である。ひたすら東京の芸を愛する。雪解けするオールドボーイ。

※週刊ポスト2025年6月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
《不動産投資会社レーサム元会長・注目の裁判始まる》違法薬物使用は「大きなストレスで…」と反省も女性に対する不同意性交致傷容疑は「やっていない」
NEWSポストセブン
女優・福田沙紀さんにデビューから現在のワークスタイルについてインタビュー
《いじめっ子役演じてブログに“私”を責める書き込み》女優・福田沙紀が明かしたトラウマ、誹謗中傷に強がった過去も「16歳の私は受け止められなかった」
NEWSポストセブン
告示日前、安野貴博氏(左)と峰島侑也氏(右)が新宿駅前で実施した街頭演説(2025年6月写真撮影:小川裕夫)
《たった一言で会場の空気を一変》「チームみらい」の躍進を支えた安野貴博氏の妻 演説会では会場後方から急にマイクを握り「チームみらいの欠点は…」
NEWSポストセブン
中国の人気芸能人、張芸洋被告の死刑が執行された(weibo/baidu)
《中国の人気芸能人(34)の死刑が執行されていた》16歳の恋人を殺害…7か月後に死刑が判明するも出演映画が公開されていた 「ダブルスタンダードでは?」の声も
NEWSポストセブン
13日目に会場を訪れた大村さん
名古屋場所の溜席に93歳、大村崑さんが再び 大の里の苦戦に「気の毒なのは懸賞金の数」と目の前の光景を語る 土俵下まで突き飛ばされた新横綱がすぐ側に迫る一幕も
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(右・時事通信フォト)
「言いふらしている方は1人、見当がついています」田久保真紀氏が語った証書問題「チラ見せとは思わない」 再選挙にも意欲《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(共同通信/HPより)
《伊東市・田久保市長が独占告白1時間》「金庫で厳重保管。記録も写メもない」「ただのゴシップネタ」本人が語る“卒業証書”提出拒否の理由
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏(共同通信)
《“保守サーの姫”は既婚者だった》参政党・さや氏、好きな男性のタイプは「便利な人」…結婚相手は自身をプロデュースした大物音楽家
NEWSポストセブン