アボリジニというのはオーストラリア大陸の先住民で、現在はアボリジナル・オーストラリアンなどと呼ばれているが、その文明度が高くなかったので白人から激しい迫害を受けた。引用文中の「十七匹」というのは、「十七人」の誤りでは無い。「白人以外はヒトに非ず」だからである。

 こういう文章を紹介すると、一昔前に北朝鮮による日本人拉致について語ると、すぐに『右翼の陰謀』だと騒ぎだす連中がいたように(何度も言ったが本当の話です)、またぞろそういう連中が騒ぎだすといけないので、世界三大通信社の記事を引用しておこう。

〈「ものすごい力が湧き出た」、200年を経てアボリジニに公式謝罪・豪政府
【2月13日 AFP】オーストラリアのケビン・ラッド(Kevin Rudd)首相が13日、先住民アボリジニに対する過去の差別的政策について議会で謝罪したことを受け、同国内で即日、賛否両論が巻き起こった。
 同日ラッド首相は議会での約30分にわたる「歴史的演説」で、220年前に初の白人入植者たちがシドニー・コーブ(Sydney Cove)に上陸して以来、アボリジニに対して重ね与えてきた不当や侮辱について語った。雄弁な演説の中でも最も注目されたのは「お詫びする(sorry)」という謝罪の言葉で、首相はこれを6回繰り返し、そのたびに議会傍聴席に集まったアボリジニなど約3000人は歓声や口笛、旗を振るなどして歓迎を表現した。(中略)
 首都キャンベラ(Canberra)の街頭では、市民とともに数千キロの遠方から足を運んだ多くのアボリジニたちがラッド首相の映像を見つめた。記念式典の花火の煙が立ち込め、謝罪の言葉が流れると、立ったまま頭をうなだれる者や泣き始める者もいた。また、先住民の力を示す方法で拳を突き上げたり、式典に参加できなかった親族の写真を抱えた者もいた。
 アボリジニの男性、Darryl Towneyさんは「わたしの人生で起こったことの中で、われわれの民にとって最も意義深いことだ。アボリジニにとってのベルリンの壁の崩壊だ」と語った。(以下略)〉
(2008年2月13日 20:23 発信地:キャンベラ/オーストラリアAFP BB News)

 これは、世界三大通信社のひとつAFP(フランス通信社)のサイトに掲載された記事である。念のため、英米系のロイター通信の記事も紹介しておこう。

〈[キャンベラ 15日 ロイター]
オーストラリアの先住民アボリジニに対する政府の公式謝罪から13年目を迎え、モリソン首相は15日、改めてお詫びした。
首相は議会で、アボリジニの子ども10万人以上を家族やコミュニティーから隔離するなどの過去の政策を認識すべきとし、「この事実を認め、これまでの首相の言葉を繰り返す。申し訳ない」と謝罪した。
2008年、当時のラッド首相が先住民に初めて公式に謝罪した先住民70万人は、オーストラリアの経済・社会のほぼ全ての指標で最下層付近に位置している。
しかし、平均余命や教育・医療水準の改善などの目標は10年以上にわたり達成されず、政府は昨年、プログラムを見直し、先住民の指導者を政策決定の中心に据えた。〉
(2021年2月15日 午後 4:18更新 Reuters)

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