渋谷、六本木、銀座で飲食店を経営
引退直後に設立したセクシー女優のプロダクションをスタッフに譲った後は、飲食店の経営に進んだ。
「もともと人とお話しするのが好きで接客業にも興味があったので、女優時代の貯金を元手に、渋谷でバー、六本木でガールズバー、そして銀座でスナックのような形態のお店をやりました。他にもプロデュースという形で、元セクシー女優たちのキャバクラに関わったりしていました。飲食業界もまた奥が深くて、渋谷、六本木、銀座でお客さんたちの層も求めるものも全く違って、試行錯誤でしたね。
六本木のお店は遊び慣れた感じの経営者の方や、新聞やテレビなどのマスコミ関係、そして芸能人、芸人さんもよく来てくれましたよ。六本木だと『早坂ひとみなんて知らないよ』って感じのお客さんも多くて、ただ純粋にお店の雰囲気を気に入ってもらえて常連さんが順調に増えていましたね。最終的にお店の女の子とお客さんが意気投合して結婚したこともありました。
銀座のお店はクラブのホステスさんたちがアフターで来るようなイメージでしたが、近隣の大手企業のサラリーマンのグループもよく来てくださいました。有名な大手企業の人たちはどんな華やかな飲み方をするのかなと思っていたけど、たいていは私とか女の子はそっちのけで男性同士わいわい仕事の話をしたりして盛り上がっていました(笑)」
飲食店の経営は順調で楽しかったが、5年ほどでいったん身を退くことになった。
「もともとお酒がほとんど飲めないのですが、昼夜逆転の生活で無理をしていたようで体調があまり良くなくなったんです。デビュー当時から一緒に暮らす愛犬たちもシニアになって介護が必要になっていたので、一度、ゆっくり普通の生活がしたいなと。それで飲食業からは離れて、いくつか資格の勉強などしてみながら、ずっと興味があった動物に関わる仕事をしました。規則正しくて、堅実な生活を数年間していると、それまでとはファッションの好みも変わってスニーカー中心になったし、アクセサリーやブランドバッグも随分と処分しました(笑)」