「24時間テレビ」のホームページ。今年はキャッシュレスの募金を打ち出している
自身のこだわりで募金額をコントロールしたかった
弁護人 「チャリティー募金の横領に関しては、経費の捻出というのとまた性格が違うように思えるのですが」
「チャリティー募金」の単語が出ると、傍聴席の記者席の姿勢が明らかに変わった。注目されていることを田村被告が気付いたかはわからないが、それまでと変わらず飄々と供述する。
田村被告 「上の人から呼ばれて、チャリティー募金の集計表に前年比を入れるように言われまして」
弁護人 「それまでは(前年比は)入れてなかったのですか」
田村被告 「実績は入れてましたが、%は入れてませんでした」
弁護人 「それがどう関係が?」
田村被告 「%が出ると、100%以上を目指したい思いが出て」
弁護人 「前年比があなたの人事評価に影響するのですか」
田村被告 「ならないです、自己満足です。上司に変な数字を持って行きたくないと」
自身の数値的なこだわりを反映させるべく、「募金額をコントロールしたかった」と供述する田村被告。昨年度比で大きな募金額となった場合は、ギリギリ昨年を超える程度になる額を着服し、その他の年度で逆に前年を下回ることがあればその補填に使う意図があったという。
また「上司に怒られるのも嫌だった」と漏らす場面もあった。しかし、昨年を下回ると怒られるといった主張をするでもなく、別の質問では「100%を超えると喜ぶんで、そういう顔を見たい」などと答えており、独自のこだわりに過ぎないようだった。
しかし、その「募金額のコントロール」はうまくいかなかったようだ。
現金での直接集計分は銀行入金前に操作できるものの、額の大きい某大手スーパーからは直接銀行に振り込みがなされた。結局、全体の募金額はその大手からの入金額に左右されたという。
弁護人 「実際に募金の補填をしたことはあったのですか」
田村被告 「(経理担当の)2年目のときに10万円をしました」
弁護人 「それで前年比の割合は超えられた?」
田村被告 「超えると思ったのですが、大手がマイナスで100%達成できませんでした」
田村被告によると、募金の着服や補填の増減は、付箋に書いて手帳に貼ることで管理を行っていたという。しかし会社が発表した横領額とは差異があった。